【独自解説】引っ越し代高騰「同じ区内で117万円」!?さらに“ある建物”では業者によって引っ越しを断られるケースも…深刻なドライバー不足で国が“分散引っ越し”呼び掛けも、はたして効果は―?

春の引っ越しシーズンですが、今、繁忙期の引っ越し代が高騰しています。物価高やドライバー不足で国が“分散引っ越し”の協力を呼び掛けていますが、今後さらに値上げの可能性も―?経済評論家・加谷珪一氏の解説です。
■引っ越し代高騰で見積もり100万円越え!?さらに“ある建物”では引っ越しを断られるケースも?「引っ越し事業社からすると、難易度が高い物件」
春の引っ越しシーズンに、異変が起きているのが“引っ越し代”の高騰です。“家族”の引っ越しだと、2024年の時点で3月は22万8106円、そして“単身”の引っ越しだと12万円台となっていて、2025年はさらに値上がりする予想となっています。
SNSでは、こんな声も―。
(SNSより)
「いろんな引っ越し業者に見積もってもらったけど、100万円を超える」
「繁忙期の引っ越し代が高い。同じ区内(車で15分)の引っ越しで117万円」
神奈川県横浜市の引っ越し専門会社『スター引越センター』では、朝から晩まで、客からの電話対応にあたっています。2024年1月の引っ越し料金の平均単価は5万2000円ぐらいでしたが、2025年1月だと6万3000円で、1万円ほど上がっているといいます。
引っ越し代高騰の理由の1つに―。
(スター引越センター・仁賀諭常務取締役)
「段ボールは結構高い。ご契約いただいたお客様には、無料で差し上げているので」
この会社の場合、段ボールは2024年より2割から3割上がり、燃料代が2割、人件費も1割アップするなど、物価高の影響が…。
そして、業者によっては、引っ越しが断られるケースもあるといいます。
(仁賀常務取締役)
「タワーマンション。エントランスが長くて、上の階までエレベーターで上がっていかないといけないので、時間がかかる。他の引っ越し業者も、敬遠するところもあるので、その分、値段が上がっちゃう」
(経済評論家・加谷珪一氏)
「最近のタワマンの設備がすごく立派で、管理側もものすごく規制が厳しくて、あちこち傷ついたりしないようにということで、引っ越し事業社からすると、難易度が高い物件なんです」
■国交省も懸念 深刻なドライバー不足で“分散引っ越し”の協力を呼び掛け はたして効果は―?
さらに、トラックドライバーの“時間外労働”に制限がかかり、人手不足が深刻化していて、ドライバー獲得にかかるコストも料金値上げの一因になっているといいます。
希望日に合う事業者が見つからない恐れがあることから、国交省は“引っ越し時期の分散”の協力を呼びかけています。そしてその“分散引っ越し”は料金の値下げにもつながります。
(仁賀常務取締役)
「おススメなのは3月上旬。中旬より手前は安いので」
国交省の『混雑予想カレンダー』の、オレンジ部分の3月15日から4月6日あたりが、特に混み合うことが予想されていて、2月以前、または5月以降の引っ越しの検討をお願いしています。
見積もりを見てみると、3月5日の場合、横浜市から名古屋市に行く引っ越しの金額が6万9000円ですが、繁忙期の3月27日から28日だと21万円で、約3倍になっています。
Q.ひと月の“時間外労働”が決まっているとはいいますが、“繁忙期”が3月でずっと変わらないのであれば、この1か月間だけは“時間外労働”を少し緩めて、その分、閑散期に休みを取れれば、もう少し値段は下がりますよね?
(加谷氏)
「確かに時期が集中しているので、特例事項を設けるというのは、一つのプランなんですが、一方それをやると、色んな業界から、『特例を認めてくれ』という話が来るので、際限がないという意見もあり、中々難しいんです。入学や入社も、そろそろ通年で、バラけるような形にして、それも真剣に検討したほうが良い時期に来ているのではないでしょうか」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年2月27日放送)