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パニック起こすため…ロシア側がウクライナ東部ハルキウで情報工作を強化 米「戦争研究所」

2024年4月23日 17:59
パニック起こすため…ロシア側がウクライナ東部ハルキウで情報工作を強化 米「戦争研究所」
破壊されたハルキウのテレビ塔(2024年4月22日 ウクライナ・ハルキウ)

アメリカの政策研究機関「戦争研究所」は22日の分析で、ロシア軍が攻撃を強化するウクライナ東部の大都市ハルキウでロシア側が住民にパニックを起こさせるための情報工作を強化していると指摘しました。

欧米の軍事支援が滞りウクライナ軍の防空能力が低下する中、ロシア軍は特にハルキウへの攻撃を強化しています。22日にはロシア軍のミサイルによるとみられる攻撃でテレビ塔が倒壊しました。また、電力施設などインフラへの被害も大きくなっています

アメリカの政策研究機関「戦争研究所」は22日の分析で、ロシア側はこうした空爆に加え、ハルキウ市民にロシア軍の地上作戦が迫っているなどと不安を煽り、パニックを引き起こすための情報工作を強化していると指摘しました。

ロシアメディアや軍事ブロガーはハルキウがロシア軍の地上作戦によって「バフムトやアウディーイウカよりもひどい状況になる」と警告したり、ロシア軍が意図的に住宅を攻撃することを示唆して殺される前にハルキウを放棄するべきと主張したりしています。

戦争研究所は「アメリカの新たな軍事支援が速やかにウクライナ軍に届けられれば、ロシア軍のハルキウへの地上作戦が成功する可能性は非常に低い」「アメリカが軍事支援を再開してウクライナ軍が十分に支援を受ける限りは、ロシア軍の戦力はハルキウを攻略するのに十分ではない」と分析していますが、アメリカなど西側の軍事支援の再開がハルキウ防衛の成否を握るとの見方を示したかたちです。

また、ロシア軍は地上作戦でハルキウの占領に失敗した際は、空爆などで街全体の破壊を試みる可能性があるとして、ハルキウの防衛には「特に防空システムとミサイルの提供が不可欠だ」としています。

アメリカ議会下院では20日、ウクライナ支援のための緊急予算案がようやく超党派で可決され、支援再開に向け大きく前進しました。