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中国に続き――ロシアも水産品“禁輸”検討 経済的ダメージは? 専門家「日本への嫌がらせ」「孤立する中国との連帯強調か」 

2023年9月28日 10:49
中国に続き――ロシアも水産品“禁輸”検討 経済的ダメージは? 専門家「日本への嫌がらせ」「孤立する中国との連帯強調か」 

福島第一原発の処理水放出後、日本産水産物の輸入を全面的に禁止している中国に続き、ロシアも禁輸に踏み切る可能性が出てきました。ロシア当局は日本側と協議するとしていますが、どんな背景や影響があるのでしょうか? 農林水産省や専門家に聞きました。

■ロシア当局「日本と協議して最終決定」

中島芽生アナウンサー
「中国に続き、ロシアも日本産水産物の禁輸に踏み切る可能性が出てきました。ロシア規制当局は26日、『起こり得るリスクを考慮した上で、日本産水産物の禁輸を検討している』との声明を出しました」

「東京電力・福島第一原発の処理水放出後、中国は日本産水産物の輸入を全面的に禁止していますが、ロシアも禁輸に踏み切る可能性を示唆したものです」

「またロシア当局は日本側に、輸出用水産物に含まれる放射性物質の検査方法についての情報を10月16日までに提供するよう求めていて、禁輸の最終的な決定は、日本側とも協議した上で行うとしています」

■ロシア向け輸出は2億7800万円のみ

中島アナウンサー
「中国に続き、ロシアも日本産水産物の取引を止める可能性があるということです。日本にとってダメージは大きいのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「いえ。農林水産省に聞いたところ、日本からロシアへの水産物の輸出額は去年2億7800万円で、全体の0.07%にすぎないということで、経済的な影響はかなり限られるようです」

中島アナウンサー
「だとすると、ロシアはなぜこのようなことをしようとしているのでしょうか?」

小栗委員長
「ロシアに詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授は『アメリカとともにウクライナ侵攻でロシアを批判する、日本への嫌がらせだ』と分析しています」

「廣瀬教授はまた、『処理水の問題で中国が国際的に孤立しているのを見て、ロシアは足並みをそろえると、精神的な連帯を強調したのだろう。今ロシアが連携できる国は中国しかいない』と話していました」

(9月27日『news zero』より)