20日、韓国第2の都市、釜山で行われていたのは、釜山万博誘致のため、外国人向けのプレスツアー。2030年の万博の誘致に向けた計画予定地を巡るツアーです。

その万博誘致のため、今年7月、韓国の人気音楽グループ「BTS」が広報大使に任命されました。国連でパフォーマンスを披露し、グラミー賞では2年連続でノミネートされるなど、世界的に活躍するBTS。

10月15日には、万博の誘致活動の一環として、無料コンサートが予定されています。
最年長メンバーの軍への入隊期限が迫り、このコンサートが全員での最後の公演になるとの見方もあり、世界中から多くのファンが集まるとみられています。

その釜山では、市内の観光地の壁に、釜山出身のBTSメンバーのイラストが描かれるなど、多くの観光客が訪れていました。

釜山出身のメンバー、JIMINさんの父親が経営するカフェでは、フィリピンから来た女性とインドネシアから来た女性が店を訪れていました。「ゲストハウスで一緒になったアーミー（ファン）です」

ただ、来月行われるコンサートについて聞くと…

カフェを訪れたＢＴＳファン
「宿泊施設の値段ももう高くなっていると聞いている」
「（航空）チケットもコンサートの日はほとんど売り切れている」

釜山ではいま、コンサートの開催に合わせホテルの宿泊代が高騰。中には2泊で40万円と、普段の10倍以上に価格をつり上げるなどの事態が。釜山市は「BTS特需を狙った不正行為がある」として取り締まりを強化しています。

このコンサートでは会場をめぐっても混乱がありました。

当初、会場として設定されたのは市の中心部から1時間以上かかる工場の跡地。しかし、10万人の観客を入れるにはアクセスが悪いため、混乱を懸念する声が。そんな中、公演まで1か月あまりとなった今月に入り、急遽、会場は市内のスタジアムに変更されたのです。

地元の住民は「多くの期待、希望を持っていたが、会場が変更になり残念に思っている」と肩を落としました。

さらに、課題となっているのが、海外からの入国者のコロナ対策です。
現在、韓国ではすべての入国者に入国後1日以内のPCR検査を義務づけていますが、BTSのコンサートの際は入国者が急増し、検査能力が足りなくなる可能性も出ているのです。

様々な課題が浮上する中、釜山市2030EXPO推進本部長は、「交通、宿泊、安全、すべての部分に関する計画が出そろい次第、 ファンや訪問される外国人のみなさんに案内する予定だ」と話しています。

来月に迫った無料コンサート。世界中のファンを満足させる公演にすることができるのでしょうか。