新型コロナ 中国メディアが当局を痛烈批判
新型コロナウイルスの感染者が世界全体で1万4500人を超えるなど、各地で深刻化している。フィリピンで新たに1人が死亡、中国以外での死者は初めてとなる。
フィリピンの保健当局は2日、中国武漢市から旅行で訪れていた44歳の中国人男性が、新型コロナウイルスによる肺炎で1日、死亡したと発表した。
男性は、香港を経由して入国し、フィリピンのリゾート・セブ島などを訪れていたという。
また、男性はフィリピンで最初に感染が確認された38歳の中国人女性と同行していて、この数日、容体が安定し、回復の兆しを見せていたが、その後、急変し亡くなったという。新型コロナウイルスの感染により中国本土以外で死者が出たのは初めて。
これを受け、フィリピンは2日、香港とマカオを含む中国からの訪問者について、フィリピン国民と永住権を持つ人以外は、入国を一時的に禁止すると発表した。
一方、中国本土の感染者数は新たに2000人以上増えて1万4380人となり、亡くなった人は304人に達している。感染者は中国本土以外の26の国と地域に広がり、世界全体で合わせて1万4555人となっている。
こうした中、中国では春節の大型連休が終わり、人の移動が再び本格化している。高速道路の料金所では、臨時の体温検査を行うなど厳戒態勢が敷かれている。
また、感染が集中する武漢市では、突貫工事で建設を進めていた病院の一つが完成し、医療関係者に引き渡された。3日から患者の受け入れを始めるという。
また、ある中国メディアは、地元当局の対応について「迅速な診察と病人の管理ができておらず、官僚システムの弊害があらわになった」と痛烈に批判した。
中国メディアが公然と当局批判を行うのは異例で、市民らの不満の高まりを反映したものとみられる。