「虫けらのようにつぶされるぞ」 ルカシェンコ大統領によるプリゴジン氏“説得”舞台裏
民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏がロシアで起こした反乱について、その収束に至るまでの舞台裏の一部をベラルーシのルカシェンコ大統領が明かしました。
◇
ベラルーシ ルカシェンコ大統領(27日)
「普通の言葉よりも汚い言葉のほうが10倍も多かった。汚い言葉でののしりながら話した」
ベラルーシのルカシェンコ大統領が、“汚い言葉”で話し合ったという相手は、ロシアへの反乱を起こした、民間軍事会社「ワグネル」創設者プリゴジン氏です。
反乱の際、首都モスクワへと進軍したワグネルは、200キロに迫ったところで急きょ、撤退。そうするよう説得したのが、ルカシェンコ大統領でした。
ベラルーシ ルカシェンコ大統領
「彼は非常に衝動的だった」
27日、ルカシェンコ大統領が語ったのは、“プリゴジンの乱”の収束にいたるまでの舞台裏の一部です。
ルカシェンコ大統領はプーチン大統領から愛称で呼ばれるほど深い仲で、当時、電話で相談を受けていたといいます。
●電話でのやりとり(ルカシェンコ大統領による)
ロシア プーチン大統領
「サーシャ(ルカシェンコ氏の愛称)無駄だ、彼(プリゴジン氏)は電話にも出ないし、誰とも話そうとしない」
ベラルーシ ルカシェンコ大統領
「彼はどこにいるんだ?」
ロシア プーチン大統領
「(ロシアの)ロストフナドヌーだよ」
ベラルーシ ルカシェンコ大統領
「彼と連絡を取ってみるから、電話番号を教えてくれ」
プリゴジン氏と連絡が取れず、武力による解決を急ごうとするプーチン大統領に対し、ルカシェンコ大統領が仲介を申し出たということです。
ベラルーシ ルカシェンコ大統領
「私はプーチン大統領に急がないよう勧めた。プリゴジン氏や彼の司令官たちと『話をしよう』と言った」
そしてルカシェンコ大統領は、プリゴジン氏との電話に成功しました。
●電話でのやりとり(ルカシェンコ大統領による)
ワグネル創設者 プリゴジン氏
「ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長を引き渡させてくれ」
ベラルーシ ルカシェンコ大統領
「(ロシアが)引き渡すことはないだろう」
ワグネル創設者 プリゴジン氏
「彼らは私たちの首を絞めようとしている。だから、モスクワに進軍するんだ」
ベラルーシ ルカシェンコ大統領
「モスクワに向かう途中で虫けらのようにつぶされるぞ」
ルカシェンコ大統領は、プリゴジン氏に対しこのように警告したといいます。その後も交渉を重ね、ベラルーシに連れて行き安全を保証することで、事態収束につながったとしています。
プリゴジン氏は、ベラルーシにいるとされます。今後、プーチン大統領との関係はどうなるのでしょうか。
(6月28日放送『news zero』より)