BTSがホワイトハウスに――ナゼ今? バイデン大統領の狙いとは 多様性アピール…専門家「政治的パフォーマンスで反発も」
アメリカのバイデン大統領が、韓国の人気音楽グループBTSをホワイトハウスに招待。アジア系住民へのヘイトクライムなどを議論しました。他にも人気歌手とメンタルヘルスについて話し合うなど、アーティストと面会を重ねています。狙いや影響を考えます。
■BTSと面会…米国に招待で「話題」に
有働由美子キャスター
「バイデン大統領は韓国を訪問したばかりで、その時にBTSとも会えたのではないかと思いましたが…」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「BTSのスケジュールがどうだったかは分かりませんが、韓国でBTSに会っても、アメリカではあまり大きなニュースにならないですよね」
「それだけに、アジア系住民へのヘイトクライムについて、アメリカに招いて話し合ったとなれば話題になります。そんな政治的効果を狙ったとも言えそうです」
■アーティストと相次ぎ面会…効果は?
小栗委員
「バイデン大統領は最近、インスタグラムで3億人以上のフォロワーがいる人気歌手のセレーナ・ゴメスさんともメンタルヘルスの問題について話し合うなど、アーティストと連続して面会しています」
「アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授は『多様性を重視してアピールしている。秋の中間選挙に向けて、民主党の結束力を高める必要があるのだろう』と分析しています」
有働キャスター
「実際のところ、効果はあるのでしょうか?」
小栗委員
「小谷教授は『若い世代にはアピールして一定の効果はあるかもしれない。ただ(ヘイトクライムなどの)問題は複雑で、劇的な改善は期待できない。むしろ政治的なパフォーマンスは、今政治が二極化する中、反発を呼ぶかもしれない』と疑問視しています」
■BTS「メッセージ」広がるワケ
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「K-POPには『ファンダム』という、ファンが連帯する文化がありますが、BTSは特にそれが強い印象です。アーティストからの一方的なメッセージだけでなく、それに共感したファンが周りと対話したり発言して広げていきます」
「そういった主体的なファンがいるからこそ、BTSのこういったメッセージには意味も重みもあるのではないかと思います」
有働キャスター
「その影響力で、互いに尊重し合うというメッセージが、アメリカでもファン以外の1人でも多くの人に届くといいなと思います」
(6月1日『news zero』より)