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【松野官房長官 午後会見(6月1日)】林外相が新型コロナ感染「官邸関係者および外務省関係者に濃厚接触者はいない」

2022年6月1日 17:41
【松野官房長官 午後会見(6月1日)】林外相が新型コロナ感染「官邸関係者および外務省関係者に濃厚接触者はいない」

松野官房長官は1日午後の会見で、林外相が新型コロナウイルスに感染したことを明らかにした上で、「総理を含む、官邸関係者および外務省関係者に濃厚接触者はいない」と述べました。

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<会見トピック>
 ▽林外相新型コロナ感染
 ▽北朝鮮情勢
 ▽OPECロシア除外
 ▽太平洋島嶼国連携PT
 ▽米国ヘイトクライム対策

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会見の概要は以下の通りです。

――林外相のコロナ感染について。外務省は林外相がコロナウイルスに感染したと発表しました。総理は昨日(5月31日)、林外相と国会内で話していますが、その際のマスクの着用の有無や、濃厚接触者認定にあてはまらないのか。

「林外務大臣は6月1日の朝に受検したPCR検査の結果、新型コロナウイルス陽性であることが確認をされ、現在自宅で療養中であります。なお林大臣は公務中、常時マスクを着用するなど必要な感染症対策を講じており、総理を含む官邸関係者及び外務省関係者に濃厚接触者はいないことが確認をされています」

――林外相の療養中の公務の対応は。

「林大臣の療養中につきましては、代理の出席者を調整し各種日程に支障がないよう適切に対応してまいりたいと考えております。復帰の時期につきましては保健当局の指示に従って適切に対応していく考えであります」

――北朝鮮情勢について伺います。北朝鮮は、先の米韓首脳会談での抑止力の強化などを盛り込んだ共同声明について「核戦争宣言だ」と非難する談話を出しました。政府としての所見をお願いします。また、今月上旬に予告している、朝鮮労働党中央委員会総会に向け、核実験などを行う可能性もあるとみられており、アメリカの国連大使は、核実験を行った場合には、安保理で制裁強化決議の採択を目指す考えを示しています。核実験の可能性など、現下の情勢についての認識と、制裁決議への立場を踏まえた今後の対応について伺います。

「北朝鮮メディアによるご指摘の報道は承知をしております。わが国としてそうした報道の一つ一つにコメントすることは差し控えさせていただきます。その上で北朝鮮は今後、核実験の実施を含め、さらなる挑発行為に出る可能性があるものと考えています。北朝鮮による核ミサイル開発は、わが国及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。お尋ねの制裁決議への対応を含め今後の対応について予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思いますが、政府としては引き続き必要な情報の収集分析および警戒監視に全力を挙げていくとともに、北朝鮮の完全な非核化に向け日米韓で緊密に連携をしていく考えであります」

――太平洋島嶼国との外交関係について伺います。自民党は本日、太平洋島嶼国との連携強化策を議論するプロジェクトチームの初会合を開きました。自民党の佐藤外交部会長は会合後に、秋をめどに提言をまとめ安全保障面での関係強化などを政府に求めていく考えを示しました。中国が南太平洋地域で影響力を強める中、政府として太平洋島嶼国の重要性をどのように考えているのか、また今後どのように関係を強化していくのか政府の考えをお伺いします。

「本日、自民党外交部会太平洋島嶼国政策検討プロジェクトチームの初会合が開催されたと承知をしております。太平洋島嶼国は日豪を繋ぐシーレーンとインド洋から南シナ海を経て太平洋に抜けるシーレーンが交わる戦略的に重要な地域であります。わが国は太平洋島嶼国との関係強化に向けた中国の動向を注視をしており、特に太平洋地域の安全保障環境に大きな影響を及ぼしうる動きについては引き続き懸念を持って注視をしていく考えであります。日本としては自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、引き続き、米国豪州ニュージーランド等とも連携をしつつ海洋安全保障、気候変動、防災、持続可能な経済発展等の広範な分野で各国のニーズに適切にこたえた支援を関係省庁、団体で協力して実施するなど太平洋島嶼国との協力関係を一層強化していく考えであります」

――OPECのロシア除外についてお伺いします。ウォールストリートジャーナルはOPECの一部加盟国が石油の生産計画からロシアを一時除外することを検討すると報じました。米欧の制裁でロシアの増産能力が低下しているためで、ロシアを除外すればサウジアラビアなどの大幅な増産に繋がる可能性がありますが、受け止めをお伺いします。

「報道は承知をしていますが、個別の報道について一つ一つコメントすることは差し控えたいと思います。次回のOPECプラス閣僚会合は、明日(6月2日)開催されるものと承知をしていますが、国際原油市場の安定に向けた議論がされることを期待しています。引き続き国際的なエネルギー市場の動向や日本経済に及ぼす影響を注視していきたいと考えています。その上で関係省庁が連携しつつ主要消費国や関係国際機関との連携を強化、産油国に対する増産の働き掛けを継続していく考えであります」

――米国でのアジア系市民へのヘイトクライムについてお伺い致します。新型コロナの感染拡大後、米国で深刻化しているアジア系市民へのヘイトクライムの問題に対応しバイデン大統領が世界的人気を誇る音楽グループBTSと会談しました。大統領はBTSが発信するヘイトクライム撲滅のメッセージについて「皆さんの話に多くの人が耳を傾けることはとても大きな意味を持つ」と述べました。アジア系へのヘイトクライムでは、在米の日本人や日系人にも被害が出ています。米国のアジア系市民へのヘイトクライムについての政府の現状認識と、幅広い世代や国際的影響力を持つBTSのようなグループが問題解決に果たす役割について認識を伺います。

「今般、バイデン米国大統領が韓国の音楽グループBTSのメンバーと面会をしてアジア系住民へのヘイトクライムの撲滅や多様性の尊重等について意見交換を行ったと承知をしています。米国では新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いアジア系住民に対する差別や暴力事件が多発していたことを受けて、昨年5月にコロナ関連ヘイトクライム防止法が制定をされ、これに基づき米連邦政府はヘイトクライムへの適用、対応を強化してきているものと承知をしています。米国政府の個別の取り組みや個々のグループ活動について日本政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば人種などによって差別が行われることは、いかなる社会においても、許容されてはならないと考えています」