×

金正恩氏を“異例の待遇” タラバガニの“ロシア版ギョーザ”でおもてなし “蜜月”ぶりに“思惑”渦巻く露朝首脳会談

2023年9月14日 20:28
金正恩氏を“異例の待遇” タラバガニの“ロシア版ギョーザ”でおもてなし “蜜月”ぶりに“思惑”渦巻く露朝首脳会談

14日、朝鮮中央テレビは、約4年半ぶりに行われた露朝首脳会談の様子を番組の冒頭に伝えました。公開した画像には、満面の笑みを浮かべる北朝鮮の金正恩総書記と、その隣にはロシアのプーチン大統領の姿がありました。

朝鮮中央テレビ
「金正恩同志が、プーチン同志と歴史的な出会いをした」

ボストーチヌイ宇宙基地での1枚には、“管制室”のような場所や、“巨大ロケット”の前で語り合う姿なども収められていました。

13日、この宇宙基地で、固い握手を交わしたロシアと北朝鮮、2人の首脳。

ロシア プーチン大統領
「こんにちは、旅はどうでしたか?」

北朝鮮 金正恩 総書記
「お忙しいなか招待いただき、また温かく迎えていただき、ありがとうございます」

宇宙開発の分野で協力を得たい北朝鮮と、武器の供与を求めたいロシア――こうした思惑が渦巻く、今回の首脳会談。この日の晩さん会の席では、プーチン大統領が北朝鮮の“ことわざ”を披露する場面がありました。

ロシア・プーチン大統領
「“服は新しい方がいいが、友は古い方がいい”ということわざが北朝鮮にはあります。同じようにロシアでも“古い友は新しい友よりいい”と言われています。今の両国の関係にあてはまります」

テーブルには、金総書記らをもてなす“豪華料理”がずらりと並びました。
その1つは、ロシアの代表的な料理「ペリメニ」です。

    ◇

「ペリメニ」とは、どんな料理なのでしょうか、記者が試食してみました。

東郷達郎 NNNウラジオストク
「ペリメニがきました」

開けてみると、プルっとした皮に包まれた、見覚えのあるものが……いわゆる、“ロシアのギョーザ”です。その味は?

東郷達郎 NNNウラジオストク
「ジューシーでおいしいです」

街では、豚肉などで作った冷凍食品が売られていますが、今回の首脳会談の晩さん会では特別に、ロシアでも高価な「タラバガニ」が使われたということです。

    ◇

“異例の待遇”で迎えられた、金総書記。
ボストーチヌイ宇宙基地では、ロシアの宇宙技術への関心を隠しませんでした。

金正恩 総書記
「最近の発射ですか?」

担当者
「はい、最近です」

ロイター通信によると、北朝鮮初となる宇宙飛行士をロシアで訓練し、宇宙へ送る可能性について話し合ったということです。

一方、朝鮮労働党の機関紙・労働新聞は14日、金総書記が晩さん会のあと、プーチン大統領に対し、都合のよい時期に北朝鮮を訪問するよう要請し、プーチン大統領が喜んでこれを受け入れたと伝えています。

世界から孤立する2人の“蜜月”ぶり……。

アメリカは北朝鮮に対し、ロシアによるウクライナ侵攻を支持しないよう引き続き求めるとして、強くけん制しています。