国連事務総長「広島と長崎の教訓忘れられつつある」 各国に“核廃絶”求める NPT再検討会議
アメリカ・ニューヨークでNPT(=核拡散防止条約)の再検討会議が開幕し、国連のグテーレス事務総長は「広島と長崎の教訓が忘れられつつある」と危機感を示した上で、各国に核廃絶に向けた取り組みを求めました。
グテーレス事務総長「人類は広島と長崎の惨禍の中で培った教訓を忘れつつある」
国連本部で開幕したNPTの再検討会議の冒頭、グテーレス事務総長はロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮による核開発を念頭に、「核の脅威は冷戦のピーク並みだ」と指摘した上で、各国に核廃絶に向けた取り組みを求めました。また、事務総長は、今月6日に広島で開催される平和記念式典に出席する意向を正式に表明しました。
会議では、日本の岸田首相やアメリカのブリンケン国務長官ら、各国の代表らによる演説が行われ、日本などから訪れた被爆者も会場で議論を見守りました。
NPTの再検討会議は今月26日まで開かれ、加盟するすべての国と地域が、核の脅威低減に向けた共通の目標を盛り込んだ最終文書で合意できるかが最大の焦点となります。ただ、核をめぐり国際社会の分断が深まっていることから、交渉は難航するとみられています。