自宅に戻る計画は中止に…今も1300人と連絡取れず マウイ島山火事1週間
ハワイ・マウイ島で山火事による壊滅的な被害が出てから、15日で1週間をむかえました。捜索が終わっていない被災地域も多いため、死者数は今後さらに増えるものとみられています。
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ハワイ・マウイ島の山火事は発生から1週間がたち、これまでに106人の死亡が確認されています。
地元当局によりますと捜索が終わったのは、被災した地域のわずか3割ほど。今も1300人と連絡がとれていないとしています。
道路には連日、被災した自宅に戻ろうと何時間も待つ住民の車列があります。
当局は15日、住民が戻れるよう計画を立てていましたが、混乱の中、急きょ計画は中止されることになりました。
被災した住民
「家に帰りたいのに」
「父がまだ中にいるんです」
現地では行方不明者の捜索が続いていて、住民が戻れるようになるには1週間以上かかる可能性があります。
避難所になっている空港近くの教会では、被災した住民の食事づくりや送られた支援物資の仕分けが行われていました。
記者
「ホールも避難場所になっていまして、一時は100人近くが身を寄せましたが今は人の姿はありません」
避難していた人の多くは避難所からホテルに移動しましたが、まだ日常の生活からはほど遠い状況です。
避難所の責任者
「まだ電気も水も十分に使えない ので、調理用のコンロや水、食品、紙製品などが必要です」
この避難所からホテルなどに物資を届けているといいます。
被災地では電柱がなぎ倒されるなどし、いまだ約4600世帯が停電しています。切れた電線が火災の原因となった可能性も指摘されています。
電線から火が出るのを目撃した人
「電線が地面に枯れ草の中にアーチを描きながら着地し、火花が散り火が出たんだ。風がすごかった」
高温と乾燥に加え、現在台風8号になっているハリケーンの強風で急速に広がったとみられる山火事。
見つかった遺体の多くは高温の炎による損傷が激しく、これまでに身元が特定されたのは4人にとどまっています。
バイデン大統領は15日、「あらゆる支援を届ける」と強調し、復旧の妨げにならない時期に、できるだけ早く現地を訪問する考えを示しました。
拡大する被害の裏で批判を受けているのが、セレブのパリス・ヒルトンさんです。
夫と息子と一緒に写るパリスさんの写真は、山火事発生から4日後の先週土曜日、被災したマウイ島で撮影されたものです。島への旅行を延期するよう呼びかけられていた中、夫と息子とともに島に入り休暇を楽しんでいたといいます。
NBCによりますとヒルトンさんは、おじが島で経営するレストランが山火事で焼けていて、休暇を早めに切り上げ被災地の住民の支援に向かったということです。