韓国から8か月ぶりに旅客便、乗客たちは―
新型コロナウイルスの感染拡大への警戒が続く中、海外との行き来を再開する動きは、徐々に拡大しています。23日、福岡空港には韓国からのビジネス客や留学生などを乗せた旅客便が、約8か月ぶりに到着しました。(2020年11月23日放送)
■8か月ぶりの福岡便、144席は予約で満席
けさ、韓国・ソウル近郊の仁川空港では――
河中春樹記者「仁川空港の掲示板、大阪行き・東京行きに挟まれて福岡行きの文字が復活しました」
韓国からの旅客便の受け入れが福岡空港でも解禁されたことを受け、アシアナ航空の福岡便が約8か月ぶりに運航されます。用意された144席は予約で満席になりました。
大分市に留学する韓国人「大学、留学のために行きます」「コロナの関係で心配なところもあるんですけど、いよいよ行くことになってすごく楽しみにしています」
韓国の大学で教える日本人教授「(韓国の)大学で教えている」「普通は夏休み、冬休み帰れたんですけど」「早く飛んでくるのを孫たちも待っていますから」
IT関連の会社を経営するキムさん「契約の件で、(日本に)行くことになった」
韓国でIT関連の会社を営むキム・ギョンミンさんは福岡経由で佐賀に向かうといいます。見せてくれたのは、日本での活動計画書です。日本政府は先月以降、こうした書類の提出などを条件に、韓国からのビジネス関係者に、ビザを発給するようになりました。
キムさん「本当に不便だったし、9か月近く往来ができなくなるとは思わなかった」
別れを惜しむ家族の姿も――チョ・ホンピルさんと妻の浜田かおりさん、そして息子の大喜くんです。夫は韓国、妻と息子は福岡市で暮らしていて、再び頻繁に行き来できることを願っています。
福岡に戻る大喜くん(4)「なんか気持ちが…泣いちゃう」
チョ・ホンピルさん「本来は(家族と)1、2か月に1回会っていたが、たびたび会えないのが悲しい」
■“空港から歩いて帰宅” 入国から2週間は自宅待機
韓国を出発したアシアナ機は、午前10時すぎに福岡空港に到着。検査で陰性が確認された乗客が次々と降り立ちました。その中には、韓国でお父さんに見送られた大喜くんの姿もありました。母親のかおりさんに、福岡市内の自宅までの帰宅方法を訪ねると―
浜田かおりさん「歩いて帰ります」「タクシーもダメと書いてあったので」
入国から2週間は、自宅などでの自主待機に加え、公共交通機関を使わないよう要請されているためですが、大きな荷物を抱えながら、幼い子どもと一緒に歩いて帰るのは、大きな負担です。
また、乗客の中には、韓国を経由してきたベトナム人技能実習生の姿もありました。
技能実習生の支援機関「ホテルで2週間、14日間の隔離になります」「しっかりと体温を計測しながら管理していきたいと思います」
アシアナ航空は今後、毎週1往復運航するほか、来月以降、大韓航空なども順次、運航を再開する予定です。
福岡でも徐々に海外との行き来が拡大していますが、観光客を受け入れる見通しは立っていません。