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中国軍が活発化、台湾の防空識別圏に進入 台湾軍も「戦闘警戒態勢」強化

2022年8月2日 14:19

アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問が報じられる中、中国軍が活動を活発化させています。中国軍の戦闘機4機が1日、台湾が設定する防空識別圏に進入したほか、2日朝も中国軍機の接近があったということです。

台湾国防部によりますと、1日、中国軍の戦闘機「殲-16」4機が台湾の防空識別圏に進入したということです。また、ロイター通信によりますと、2日朝も台湾海峡の中間線に複数の中国軍機が接近して飛行したということです。

これに対し、台湾軍も2日から4日までの間「戦闘警戒態勢」を強化したということです。

さらに中国軍は1日、「陣営を固め命令が下ればすぐに戦う」と題した、訓練映像を公開しました。映像には「全ての敵を葬り去る」などと威嚇する言葉もあり、ペロシ氏が台湾訪問を断念するよう圧力をかける狙いがあるとみられます。

双方の緊張が高まる中、中国・福建省を本拠とする航空会社「厦門航空」は2日の運行便を急きょ調整すると発表しました。台湾の対岸、福建省の空域で、何らかの飛行制限措置が取られた可能性もあります。

一方、台湾メディアは2日朝、台北近郊にある空港で爆弾を仕掛けたとの脅迫があったと伝えました。爆弾は発見されませんでしたが、脅迫のメッセージには「ペロシ下院議長の訪問を阻止するため」との文言があったということで、空港当局は、警備を強化するなど対応しています。

また、中国共産党系「環球時報」の元編集長は自身のSNSで、ペロシ氏の台湾訪問について「彼女を台湾に行かせればいい。ただ、出発前には旅の安全を祈ることだ」などとするメッセージを投稿しました。

さらに、中国の張軍国連大使も1日の会見で、ペロシ氏の台湾訪問は「明らかに危険で挑発的だ」と指摘した上で、「中米関係を著しく損ねる」と述べ、強くけん制しました。その上で、「アメリカが独断専行するなら、中国は断固強力な措置をとる」と表明し、「それによってもたらされる全ての重大な結果はアメリカが責任を負うべきだ」と強調しました。