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【全文】アルカイダ最高指導者の殺害「国際的な過激主義対策の成果の一つ」松野長官会見(8/2午前)

2022年8月2日 13:48
【全文】アルカイダ最高指導者の殺害「国際的な過激主義対策の成果の一つ」松野長官会見(8/2午前)

松野官房長官は、2日午前の会見で、米軍による、ザワヒリ・アルカイダ最高指導者の殺害について、「中東地域の平和と安定に資する国際的な過激主義対策の成果の一つ」と、評価しました。

<会見トピックス>
▽グテーレス事務総長の訪日

▽松野長官新型コロナ感染

▽官邸内の感染対策

▽最低賃金引き上げ

▽BA.5対策強化宣言

▽アルカイダ指導者殺害

▽NPT再検討会議

▽ペロシ米下院議長の台湾訪問

▽防衛費

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。

一般案件1件、政令、人事が決定されました。

大臣発言として、財務大臣から、鉄道開業150周年を記念する貨幣の発行について。

山際大臣から、中長期の経済財政に関する試算についてそれぞれご発言がありました。

次に、8月5日から8日まで国連のグテーレス事務総長が実務訪問賓客として訪日する予定です。

グテーレス事務総長は6日に行われる広島平和記念式典に参列し、岸田総理と広島で会談を行う予定です。

また、事務総長はその後、東京を訪れ、林外務大臣と会談を行う予定であります。

グテーレス国連事務総長が広島の平和記念式典に参列をし、岸田総理と広島の地で会談を行うことは、被爆の実相を世界に発信をしていく上で非常に重要な機会になるものと考えます。

グテーレス国連事務総長の今回の訪日を通じ、日本と国連の協力関係が一段と深まることを期待します。

日程等の詳細は、外務省にお尋ねをいただきたいと思います。

私からは以上です。

――長官の新型コロナウイルス感染についてお伺いします。

長官はコロナ感染から自宅療養を経て、今日で公務を再開することになりました。

ご自身のコロナ感染の自宅療養の経験を通じ、コロナ感染で注意した方が良いことなど、国民に対し呼びかけたいことがありましたらお伺いします。

○松野官房長官
ご承知のとおり、私は、7月23日にPCR検査を受検したところ新型コロナウイルス感染症に感染していることが明らかとなり、自宅で療養していましたが、本日から公務に復帰することが可能となりました。

皆さまには大変ご心配をおかけをいたしました。

療養期間中は症状も1日で快方に向かい、以後は体調に変化はなく、異常なく過ごすことができました。

この間、随時関係者からの報告や相談を受けて判断を行ってきたほか、必要に応じ副長官等に代理として業務を遺漏なく行っていただきました。

皆さんの御協力に感謝を申し上げます。

本日から引き続き体調に注意しながら公務を遂行したいと考えております。

――関連で。

長官だけでなく、官邸内では嶋田・宇波両首相秘書官の感染など相次いでいる。

官邸の業務に支障はないのか、政府としての見解を伺う。

相次ぐ感染を受けて、官邸内の感染対策などについても伺う。

○松野官房長官
官邸においては、平素より、サーモグラフィーによる入邸者の体温確認、共用施設・共用部分の毎日の消毒清掃、各所への消毒液の設置、職員及び入邸者へのマスクの着用の徹底、手洗いの敢行等に取り組んでいるところであります。

また業務については、テレワーク等を活用するとともに、感染者が出た場合には必要に応じて他の職員等が代理して行うなど支障のないように努めています。

今後とも適切な感染対策を行ってまいりたいと考えております。

――関連で。

長官はこれまで政府のスポークスマンとして国民に感染防止を呼びかけてきたが、ご自身の感染の経験を踏まえて、改めてどのように国民に感染防止を呼びかけていく考えか。

○松野官房長官
新型コロナの感染防止については、私自身早めのワクチン3回接種、日頃からの基本的な感染防止対策などを実践してきたところであります。

今回の経験を通じてということで申し上げるならば、国民の皆さまにおかれては、誰もが感染の可能性があるということを念頭に、感染予防、重症化予防のためのワクチン接種を積極的に受けていただくとともに、熱中症にも十分注意をしながら、改めてマスクの適切な着用、効果的な換気、手洗い3密の回避等の基本的な感染防止策について徹底いただくことをお願いをしたいと思います。

また重症化リスクの高い高齢者等の感染を防ぐため、帰省などで高齢者等と接する場合には事前の検査を受けていただくことや、高齢者やその同居家族については感染リスクの高い行動を控えていただくこともお呼び掛けたいと思います。

――最低賃金について伺います。

厚生労働省の審議会は過去最大となる全国平均31円の引き上げを目安として示し、今日答申されます。

岸田政権は賃金、所得の引き上げを重要課題に掲げているわけですが、今回の結果についての 評価とさらなる賃上げに向けた今後の取り組みについて伺います。

○松野官房長官
令和4年度の最低賃金改定については、昨日開催された小委員会において、全国加重平均31円という引き上げ額の目安が取りまとめられ、本日11時から開催される中央最低賃金審議会において小委員会報告をもとに答申が行われる予定と承知をしています。

小委員会においては公労使の3者が生計費、賃金、賃金支払能力を考慮し、審議を重ねた上で過去最高額となる目安額を取りまとめられました。

新しい資本主義の時代にふさわしい引き上げ額の目安であり、その結果を尊重したいと思います。

中小企業においても、しっかりと賃上げが行われるよう、引き続き政府一丸となって事業再構築、生産性向上に取り組む中小企業へのきめ細やかな支援や価格転嫁も含めた取引の適正化に取り組んでいく考えでおります。

――賃上げの関連でお伺いします。

物価高騰が続く中で、政府はその対策の肝として賃上げを重視してきました。

今回の31円というのは過去最大の伸びなんですけれども、今の物価高騰に対してそれで十分だという評価をされてるかどうか。

○松野官房長官
最低賃金に関しましては先ほど申し上げました公労使の3者において生計費、賃金、賃金支払能力を考慮して審議を重ねた上での結論だと考えております。

――BA.5対策強化宣言について。

現時点で自治体からの発出要請はあるのか。

また、発出する場合の時期や期間など、政府の現在の検討状況は。

○松野官房長官
先日の政府対策本部決定において、BA.5対策として、住民や事業者への協力要請や呼び掛けを強化する都道府県のBA.5対策強化宣言に基づき、国がBA.5対策強化地域と位置付け、都道府県の取り組みを支援することとしました。

すでにいくつもの都道府県から問い合わせ等を受けていますが、現在協議中のため、個別の事例についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

政府としてはこれまで以上に都道府県と国が緊密に連携をし、各地域の個別の事情も踏まえながら、各省庁や所管団体の連携・調整、好事例の提案、導入支援、必要に応じて、リエゾン職員の派遣等の支援を行うことにより都道府県による創意工夫を促しつつ、都道府県の感染対策がより効果的効率的に実施できるようにしてまいりたいと考えております。

――アメリカのバイデン大統領が先ほど、軍事作戦で国際テロ組織アルカイダのザワヒリ容疑者を殺害したと発表した。

これについてバイデン大統領は、正義が果たされたと説明しているが、政府としての受け止めは。

○松野官房長官
米国のバイデン大統領が先ほど演説をし、米軍の作戦により米軍時間の7月30日にザワヒリ・アルカイダ指導者を殺害したことを発表したと承知をしております。

2011年のウサマ・ビン・ラディン前アルカイダ指導者の殺害や近年のISIL幹部の殺害に続き、中東地域の平和と安定に資する国際的な過激主義対策の成果の一つとして評価をします。

日本としてはアフガニスタンを再びテロの温床にしないため、また過激主義の国際的な拡散を防ぐため、引き続き国際社会と連携してテロ対策に取り組んでいく考えであります。

――NPT再検討会議について。

岸田首相は日本の首相として初めて参加した。

改めてその意義とどのような成果を目指すのか。

○松野官房長官
政府としては核兵器のない世界への道のりがさらに厳しいものとなる中でNPTのもと現実的な取り組みを進めていくことが重要と考えています。

日本の総理として初めてのNPT運用検討会議の出席を通じ、NPTに対する日本の強いコミットメントと核兵器のない世界に向けた日本の決意や具体的な取り組みを国際社会に示すことができたと考えています。

核軍縮をめぐる各国の分断は一層深まっており、今回の会議をめぐる状況は極めて厳しい状況でございますけれども、会議において意義ある成果を収めるために本として全力を尽くすとともに、関係国と連携しつつ全締約国の建設的な対応を呼び掛けていきたいと考えています。

――関連。

演説で岸田首相が説明したユース非核リーダー基金について、若い人に対して具体的にどのような形で被爆の実相に触れてもらう考えか。

また時期はいつごろを想定しているのか。

○松野官房長官
本件基金は未来のリーダーを日本に招き、被爆の実相に触れてもらい、核廃絶に向けた若い世代のグローバルなネットワークをつくることを目的として、日本として拠出するものであります。

詳細については今後国連側と調整をしていく考えです。

――NPT再検討会議の総理演説に関連してお伺いします。

演説の中で国際賢人会議の日程も総理の方で演説で公表されましたけれども、総理は著書の中では参加者としてオバマ氏やゴルバチョフ氏を過去に挙げていました。

現在の参加メンバーの調整状況についても教えてください。

○松野官房長官
国際賢人会議では核兵器国と非核兵器国の双方からの参加者がそれぞれの国の立場を超えて知恵を出し合い、また各国の現職や元職の政治リーダーの関与も得て、核兵器のない世界の実現に向けた具体的な道筋について自由闊達な議論が行われることが重要であります。

そのため参加メンバーを含め、今後所要の調整を進めていく考えです。

――米国のペロシ下院議長の台湾訪問について伺います。

ペロシ氏が本日2日にも台湾入りし、3日に蔡英文総統と面会すると米台メディアなどが伝えています。

これに対し中国側は「中国人民解放軍は座視しない」と報復措置を示唆しています。

台湾をめぐる米中間の緊張が高まっていますが、政府としてペロシ氏の訪台をどう受け止めているか。

お願いいたします。

○松野官房長官
ペロシ米下院議長の事務所の発表によれば同議長は、シンガポール、マレーシア、韓国および日本を含む。

インド太平洋地域への訪問を行っていると承知をしています。

ご指摘の中国側発言については承知していますが、ペロシ下院議長の海外訪問について日本政府としてコメントする立場にはありません。

――防衛費について伺います。

自民党の宮沢洋一税調会長が、先月24日のテレビ番組で、防衛費を拡充するための税源について「本当に防衛費がそこまで必要であれば、社会保障費の水準を切り下げる議論をしなければならない」と述べました。

防衛費と社会保障費をトレードオフとする考えが妥当かどうか、政府の見解をお願いします。

○松野官房長官
個々の発言についてコメントすることは差し控えさせていただきますが、政府として、防衛費の財源について、社会保障費を含め特定の経費を念頭に検討しているわけではありません。

いずれにせよ、防衛分野については新たな国家安全保障戦略等の策定や今後の予算編成過程において抜本的な防衛力強化の内容、その防衛力強化の内容に相当する防衛費の規模。

防衛費増の裏付けとなる財源の在り方を一体的に検討していく考えであります。

――冒頭の、グテーレス国連事務総長の訪日の件で伺います。

会談の内容は、どういったものを予定されていますでしょうか。

また、広島を訪問された際、原爆資料館を訪問する予定はありますでしょうか。

○松野官房長官
具体的な日程の詳細等に関しましては、外務省にお尋ねをいただきたいと思います。

目的に関しましては先ほど申し上げました通り被爆の実相を世界に発信をしていくということで非常に重要な機会なのではないかと考えております。