【全文】山際大臣がスタートアップ担当大臣兼務「スタートアップ政策の司令塔となってもらう」木原官房副長官会見(8/1午前)
木原官房副長官は、1日午前の会見で、山際経済再生担当大臣がスタートアップ担当大臣を兼務することをあきらかにした。
<会見トピックス>
▽スタートアップ担当を山際大臣が兼務
▽ミャンマーで日本人男性拘束
▽新型コロナ「全数把握」の見直し。
今後、丁寧に検討
▽竹島周辺で複数の韓国調査船確認
▽"統一教会"と国会議員のつながり
会見の概要は以下の通りです。
○木原官房副長官
まず、冒頭、私の方から一点、発言させていただきます。
本日、岸田内閣総理大臣より、山際新しい資本主義担当大臣に対しまして、スタートアップ担当大臣の担務を追加するとの指示がなされました。
具体的には、山際大臣には、スタートアップ政策の司令塔として、関係大臣と協力し、本年末に、スタートアップの5年、10倍増支援スタートアップ育成5ヶ年計画を策定するとともに、スタートアップ支援策を一元的に実施し、世界に伍するスタートアップエコシステムを作り上げ、持続可能な、経済成長と、社会課題解決の両立を図るべく、行政各部の所管する事務の調整を担当していただくことになると、こういうものであります。
これに関連いたしまして、本日、内閣官房に、グローバルスタートアップキャンパス構想推進室を設置いたします。
海外の大学等とも連携をしながら、スタートアップの形成を目指すキャンパス構想の具体化を図ってまいります。
また、本日、内閣官房に、海外ビジネス投資支援室を設置いたします。
日本の成長力を強化する観点から、技術や、ノウハウを生かした日本企業の海外投資を支援することが重要であり、政府として、体制を強化いたします。
私からは以上であります。
――日米韓3カ国の共同訓練について伺います。
韓国メディアによると、3カ国が、本日1日から14日の日程で、ハワイ沖の海上で、北朝鮮のミサイルを追尾する共同訓練を実施すると報道しました。
実施の有無と、実施する場合の訓練の狙いについてお願いします。
○木原官房副長官
報道につきましては、承知をいたしております。
自衛隊は、戦術技量の向上や、各国軍隊との連携強化のため、同盟国の米国を含む、各国との共同訓練の実施につき、様々な、調整を行っています。
大変恐縮ですが、その詳細につきましては、相手国との関係上、お答えは差し控えさせて頂きたいと思います。
――ミャンマーでの邦人拘束について。
ミャンマーの最大都市ヤンゴンで、ジャーナリストとみられる20代の日本人男性ひとりが、治安当局に拘束されました。
日本政府として把握している男性の状況や、拘束時の状況について教えてください。
また、男性の解放に向けた政府の取り組みの状況もお願いします。
○木原官房副長官
はい、在ミャンマー日本国大使館は、7月30日に、ヤンゴン市内でデモを撮影をしておりました、20代の邦人男性が、現地警察に拘束されたことを確認しております。
日本大使館は、ミャンマー当局に対しまして、当該邦人の早期解放を働きかけており、引き続き情報収集に努めるとともに、早期解放を求めてまいります。
また、邦人保護の観点から、ご家族への連絡など、できる限りの支援をしているところでありまして、引き続き、適切に対応してまいりたいと思います。
――新型コロナについて。
岸田首相は、昨日記者団に、いま感染が拡大しているこのタイミングで感染症法上の位置づけを変更する考えはないと述べました。
一方で、自治体からは、全例把握について、見直しを求める声が上がっています。
新型コロナウイルス感染症を、新型インフルエンザ等感染症に位置づけられ、1から4類と、5類の一部の感染症と同様に、全数把握をこれまで実施してきましたが、政府の方で見直しの必要性や対応についてどのように考えているのか、教えてください。
○木原官房副長官
はい、ありがとうございます。
総理も、ご発言があったと承知をしておりますが、新型コロナにつきましては、新規感染者数が増加をしておりまして、今まさに、最大限の警戒が必要な局面にあります。
そうした最大限の警戒必要な局面にある、現時点でですね、5類に変更する、というのは、現実的ではない、と考えております。
今後、時期もしっかり見極めながら、また、あの変異の可能性もしっかり判断した上で、新型インフルエンザ等感染症として規定されている、各種措置の必要性などについて、専門家の皆さんのご意見も伺いながら、丁寧に検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
――新型コロナの分類見直しについて。
全数把握については、いまお伺いしましたけれども、コロナの診療については、公費負担の継続など、単純に5類と同様にするのは難しいとの声もあります。
こうした分類変更を検討する際の政府の考えをお伺いします。
また、一部報道では、木原副長官が2類相当の位置づけについて、第七波を乗り越えたあとには、見直しが不可避だと述べたとありますが、見直しとは具体的にどのような内容を想定しているのか。
○木原官房副長官
先ほどのお答えと同じようなものになってしまって恐縮でありますが、まず、繰り返し申し上げますが、新型コロナにつきましては、今、まさに新規感染者数が増加をしている。
したがって最大限の警戒が必要な局面にある、ということであります。
現時点で、5類への変更は現実的ではない、というのが大前提でございます。
その上で、先ほども申し上げましたが、時期もしっかり見極めて、そして、あの変異の可能性といったことも、判断した上で、新型インフルエンザ等感染症として規定されている各種措置、先ほどもご指摘いただいた点、また、同じ様にご質問いただいた点も含めてですね、そして各種措置の必要性について、専門家の皆さんのご意見も聞きながら、丁寧に検討を進めていきたいと、このように考えておりますし、私自身も、そのように申し上げたということでございます。
――現行の2類相当からの引き下げについて、検討のタイミングや、実際行うかは別の話にするとしても、いま論点にはなっていないんですけれども、引き下げる際には、現在のワクチンの位置づけも、軽度なものに変わっていくのか、現時点では年代別接種率の公表などをしていると思いますけれども、そういったものが変わっていく、あるいは全体としてワクチンの位置づけそのものを再検討していく、という理解でよろしいでしょうか。
○木原官房副長官
全体として、同じご質問かと、このように思います。
先ほど申し上げた通りですね、現在、新型インフルエンザ等感染症として規定されている各種措置の必要性などについて、今後、しっかり専門家の皆さんのご意見も伺いながら、その必要性等について、丁寧に検討を進めていきたいというふうに思っております。
このワクチンにつきましては、今まさに、4回目の接種を進めておりますし、そして、若い皆様に、3回目の接種も進めていただきたい、ということをお願いしているところでありますから、まずは接種促進を政府としてしっかり働きかけていきたい、このよう考えております。
――最低賃金について。
中央最低賃金審議会小委員会の最低賃金の審議が大詰めを迎えています。
過去最大の引き上げ幅になるとの一部報道がありますが、政府としてはどのような引き上げ幅を期待しているか。
また、政府は早期にとしては全国平均1000円となるよう数値目標を掲げていますが、達成に向けて、今後実施する具体的な政策について教えてください。
○木原官房副長官
はい、ご指摘の通り、今年度の最低賃金につきましては、厚生労働省の審議会におきまして、議論をされているところであります。
具体的な引き上げ額につきましては、審議会において、ご議論いただくものではありますが、人への投資のためにも、最低賃金引き上げ、重要であります。
新しい資本主義の時代にふさわしい引き上げ、引き上げ幅となるように、期待をしたいというふうに思います。
また、最低賃金の引き上げの環境整備を一層進めるためにもですね、事業再構築、あるいは、生産性向上に取り組む中小企業へのきめ細やかな支援や、それから、価格転嫁も含めた取引の適正化等に、引き続き取り組んでいきたいと考えております。
――一部報道で、竹島周辺で7月下旬に、一週間程度の間に韓国の海洋調査船3隻が相次ぎ発見されています。
竹島周辺でこの時期に複数の韓国調査船が確認されるのは異例のことですが、事実関係と、日本政府としてどう対応したのか教えてください。
○木原官房副長官
はい。
ご指摘の報道につきましては承知をしております。
そして、7月24日から27日。
7月26日から27日、そして7月27日から28日にかけて、計3隻の韓国調査船が、それぞれ竹島周辺の、我が国領海および排他的経済水域において航行している、ということが確認をされております。
現場海域におきましては、海上保安庁の巡視船により注意喚起を行うとともに、警戒を行うなど、などの対応を取ったところでございます。
また竹島が、歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかに日本固有の領土であるということに鑑み、韓国側には、直ちに外交ルートを通じまして、本件調査船について説明を求めるとともに、仮に、我が国領海および排他的経済水域において調査活動を行っているのであれば、認められない旨強く抗議をしたところであります。
政府として、国際法および関連する国内法に基づき、今後とも、適切に対応してまいります。
――ロシアについて。
プーチン大統領が演説で「北方領土は戦略的に重要だ」として「あらゆる手段で確実に守る」と述べた上で「国益のためには、軍事力の行使も辞さない」考えを示しました。
ロシア軍が日本周辺で活動を活発化させている中での発言になりますが、政府としての受け止めを。
○木原官房副長官
はい、ご指摘のプーチン大統領の演説につきましては承知をしております。
が、同大統領の発言のいちいちについてコメントすることは差し控えたいと、このように思います。
その上で申し上げますと、北方領土含む我が国周辺におけるロシア軍の動向につきましては、日頃から注視をしているところでありまして、情報収集を行うとともに、必要に応じて、ロシア軍に対して、我が国の立場を申し入れております。
政府として、引き続き関連の情報収集等を含め、適切に対応してまいります。
――困窮学生支援について。
東京新聞の取材では、給付型奨学金を得て愛知県内の大学に通っている大学生の男性が、学費と生活費を稼ぐためにアルバイトをし、結果的に単位を落として留年し、ことし5月に奨学金も打ち切られました。
現下のコロナ禍と物価高で苦境に立たされている学生が、他にも多くいると思われますが、ご所感をお願いします。
また、こういった経済的に苦しい学生に対して、新たな支援策を設ける考えがあるのか。
○木原官房副長官
はい、ご指摘いただきました個別のケースについて、個別にお答えすることは差し控えたいというふうに思いますが、一般論として申し上げますれば、給付型奨学金を支給する高等教育の就学支援新制度は、対応にあたりまして、高校大学の成績だけで、否定的な判断はせず、学習意欲や、進学目的を確認して、対象とするという制度であります。
その一方で、大学等への進学後は、学生の社会での自立、活躍を図る、そういった観点から、学習成績の要件を課していると、このように聞いております。
いずれにいたしましても、大変恐縮ですが、詳細については、ぜひ、文部科学省に問い合わせをいただければ、このように思います。
――旧統一教会について。
旧統一教会側と、現職の国会議員との関係が明らかになっていますが、改めて、政府の見解と、関係者の説明の必要性についてお願いします。
○木原官房副長官
はい、ご指摘の件は、各閣僚や、国会議員の政治活動に関することであり、政府としては、コメントは差し控えさせていただきます。
が、一般論として申し上げれば、個々の政治家が、自らの政治活動において、責任を持った行動をするということは、大切なことであります。
また、社会的に問題になっている団体との関係につきましては、政治家の立場から、それぞれ丁寧に説明を行っていくことが大事である、このように考えております。