【全文】日本産食品の輸入規制「1日も早く全面撤廃を実現」木原官房副長官会見(7/27午後)
日本産食品の輸入規制が、依然として残っていることについて木原官房副長官は、27日午後の会見で「1日も早く世界各国・地域において全面撤廃を実現すべく引き続き働きかけを強めていきたい」と述べました。
<会見トピックス>
▽新型コロナの救急搬送急増
▽日本産食品の輸入制限
▽春闘
▽大阪府の高齢者行動制限
▽日本学術会議会員の欠員
会見の概要は以下の通りです。
○木原官房副長官
冒頭、特段私からございません。
――救急搬送の困難事案について。
新型コロナの第7波以降、東京で救急搬送困難事案が急増しています。
直近1週間では3000件を超え、過去最多となり、救急車の出動率も連日100%近くなっています。
コロナ以外の一刻を争う患者の搬送など一般医療への影響が特に指摘されていますが、政府として今の救急搬送困難について現状の分析と対策について教えてください。
○木原官房副長官
ご指摘いただきました通り、コロナ新規感染者の急増に伴いまして、救急車が医療機関に受け入れられるまでに時間を要するというような事例が増えていることについては承知をしております。
そのため7月22日ですけれども、厚生労働省から都道府県等に対しまして受診控えが起こらないよう、配慮の上、例えば、無症状で、念のための検査のためだけ救急外来受診を控えるようなことについて、周知を進めるよう改めて徹底したところであります。
またその前日7月21日には救急対応を行う医療機関の負荷、これを軽減するため、発熱外来の混雑緩和を行いつつ、有症状者が必要な健康観察を受けられるよう、有症状者が発熱外来の受診に代えて、検査キットによる検査を受けられる体制を整備するということについて都道府県などに要請をしたところでもあります。
こうした取り組みを通じて、引き続き医療体制の確保に万全を期してまいりたいとこのように考えているところです。
――東京電力福島第1原発事故を受けた日本産食品の輸入規制について伺います。
本日、岸田首相とインドネシアのジョコ大統領との会談でインドネシアの規制の撤廃が表明されました。
改めてその意義について伺います。
また輸入規制を続ける国がまだ中国や韓国など12か国・地域あるかと思いますが、政府としてどのように撤廃を目指す方針でしょうか。
○木原官房副長官
インドネシアによります日本産食品の輸入規制撤廃につきましては、これまでも様々な機会を通じて、インドネシア側に働きかけをしてきたところでありますが、ご指摘いただいたとおり、本日の日・インドネシア首脳会談におきましてジョコ大統領から日本産食品に対する輸入規制を全て撤廃した旨の発言があったということでございます。
被災地の方々を勇気づける決定でありますし、岸田総理大臣からジョコ大統領のリーダーシップに対する感謝の意を伝えたところであります。
日本産食品の輸入規制撤廃は、政府の最重要課題の一つでありまして、これまでも各国との2国間会談を含む、様々な機会を捉えて日本産食品の安全性について説明をし、そして科学的見地に基づく輸入規制の早期撤廃を働きかけてきたということでございます。
その結果これまでにも、本年2月に台湾が規制緩和を発表いたしましたし、英国も先月末に規制の撤廃をするなど、一定の進展が見られております。
他方で、引き続き、規制が残る国もございますので、1日も早く世界各国・地域において全面撤廃を実現すべく、関係省庁とも連絡をして、引き続き、働きかけを強めていきたいとこう考えております。
――春闘の結果についてお伺いします。
経団連が今年の春闘の回答について最終集計の結果を発表して、全体の賃上げ率は2.27%になりました。
一方で、世界的な物価高騰に賃上げが追いついていないとの指摘もあります。
春闘の結果の受け止めと、さらなる賃上げに向けてどのように取り組むのか。
○木原官房副長官
先ほど経団連が公表した集計結果によりますと、1人当たりの平均妥結額7562円と、そして今ご指摘いただいたとおり、賃上げ率は2.27%となっております。
いずれも昨年を上回る結果ということで認識をしているところです。
また業績がコロナ禍前の水準を回復した企業の妥結額は1万506円、そして賃上げ率は3.05%となってございます。
岸田政権が期待している賃上げ率3%を超える結果となっているというふうに認識をいたします。
他方で、ご指摘いただいた通り、物価上昇が続くという局面でありますので、大切なことは賃上げを持続させていくということが重要だという認識をします。
賃上げの流れがよりしっかりとした、そして継続的なものとなるように、新しい資本主義の実現に向けた動きを本格化させての総合的な取り組みを今後も進めていきたいと考えております。
――先ほど、大阪府の吉村知事が会見で、病床使用率が50%をこえて、世代をしぼって、高齢者に関しては不要不急の外出を控えるようにと呼びかけました。
このように、地方自治体からの世代を絞った呼びかけですけれども、ある種行動制限のようなことに関して、政府としての受け止めがあれば教えてください。
○木原官房副長官
大阪府におきまして、本日、府のコロナ警戒レベルを一段引き上げて、医療非常事態宣言を発出するとともに、早期のワクチン接種を呼びかけることや、そしてご指摘いただいた高齢者等への不要不急の外出を控えるよう要請することなどを決定し、そして感染拡大の抑制に取り組んでいると、このように承知をいたします。
政府としては、大阪府と密接に緊密に連携をして適切に対応していきたいと考えております。
全国的にも感染者数は増加をしている中で、政府として引き続き全体像で準備してきた保健・医療体制をしっかり稼動させていくと、これを基本として重症化リスクのある高齢者を守ることに重点を置いて、午前中も申し上げましたが、4回目接種の推進など、ワクチン接種のさらなる促進、それから検査の活用・推進や効果的な換気の徹底など、メリハリの効いた感染対策、そして全体像により整備してきた病床等の点検強化を図るなど、保険医療提供体制の確保、こういったことに取り組んでいきたいと考えます。
各都道府県における感染対策につきましては、地域の感染状況やそれぞれの医療提供体制に応じて、必要な取り組みを実施しているものと承知をしております。
引き続き緊密に連携していきたいと思います。
――日本学術会議について。
日本学術会議法では、210人の会員で組織し、3年ごとに首相が半数を任命すると定めています。
現在、6人の会員が欠けている状況ですが、法的に問題はないのでしょうか。
仮に問題ない場合、どのような根拠か、教えてください。
また、日本学術会議が、軍民両用の先端科学研究を容認する方針を示したことを受けて、欠員を補充するお考えはありますでしょうか。
○木原官房副長官
まず日本学術会議法におきましては、定年による退職と、こういったことを定めるなど、会員が210人いる状態を常に満たしていることを求めているものではないと、このように認識をしてございます。
また実際に欠員になる状態におきましても会員の推薦や会長の互選など、日本学術会議において必要な意思決定が行われているということを承知しております。
そして繰り返し、国会等でも答弁をさせていただいておりますが、一昨年10月の日本学術会議の委員の任命につきましては、日本学術会議法に沿って任命権者である当時の内閣総理大臣が最終判断したものであるということから、一連の手続きは終了していると、このように理解をしております。