【全文】BA.5対策強化宣言「都道府県の取り組みを国としても支援」木原官房副長官会見(7/29午前)
木原官房副長官は、29日午前の会見で、「新型コロナの感染拡大に対応する都道府県の取り組みを支援したい」と述べました。
<会見トピックス>
▽ワクチン推進強化月間
▽新型コロナ検査キット配布
▽米中首脳会談
▽BA.5対策強化宣言
▽"統一教会"と議員のつながり
会見の概要は以下の通りです。
○木原官房副長官
冒頭、私の方から閣議の概要につきまして申し上げます。
一般案件3件、条約の公布、政令、人事が決定されました。
大臣発言として、山際大臣から令和4年度年次経済財政報告について。
小林大臣から令和3年度版原子力白書について。
総務大臣から労働力調査結果について。
厚生労働大臣から有効求人倍率令和4年6月について、そして岸田総理大臣から海外出張不在中の臨時代理についてそれぞれご発言がありました。
本日承認をされた内閣官房、内閣府の人事はお配りした通りであります。
次に先ほどの閣議で総理からご発言がありましたが、岸田総理は7月31日から8月1日まで。
第10回NPT運用検討会議に参加するためニューヨークを訪問し一般討論演説などを行う予定です。
同会議への出席は日本の総理大臣として初めてとなります。
核軍縮をめぐり、各国の分断は一層深まっており、また、ウクライナ侵略の中で、ロシアが核兵器による威嚇を行うなど、核兵器のない世界への道のりはさらに厳しいものとなっています。
こうした中、政府としては核兵器のない世界に向け、NPTのもとで現実的な取り組みを進めていくことが重要であると考えており、岸田総理の演説においても、NPTを重視する我が国の立場を発信するとともに、NPT体制の維持強化のための、各国の建設的な対応を呼び掛ける予定でございます。
次に新型コロナのワクチン接種について申し上げます。
現在、10代から30代など、若い世代を中心に新型コロナウイルスの感染者が急増しております。
一方で、若い世代の約8割の方々が2回目接種を終えておりますが、3回目の接種率は、3割から5割台にとどまっております。
このため、特に若い方の3回目接種を推進するために8月までを「ワクチン推進強化月間」として積極的な広報が図られるよう政府全体で取り組んでおります。
政府では、総理が若者への接種を呼びかけた動画配信を始め、リーフレットやSNSなど、さまざまな媒体による広報強化を図っているほか、自治体にも政府と一体となった広報に取り組んでいただいているところであり、業界団体などにおきましても、積極的な広報や参加企業等への働き掛けを実施いただくよう、関係省庁を通じてお願いしているところであります。
若い方であっても、重症化をしたり症状が長引いたりする可能性もございます。
まだワクチン接種はご自身だけでなく、ご家族、ご友人、高齢者の方々など、大切な方を守ることにも繋がってまいります。
先々週、7月14日に、総理からもお願いをしておりますが、お住まいの場所でも、また帰省先でもできるだけ早い3回目の接種を重ねてお願いをしたいと思います。
冒頭私からは以上でございます。
――ワクチンの推進強化月間について。
基本的に、呼びかけ、広報活動が主な内容なのか。
○木原官房副長官
ワクチン推進強化月間7月から開始をしております。
先ほど申し上げました通り、動画やリーフレットの作成、そしてSNSによる発信など、さまざまな新たな取り組みによる政府広報の強化を図っているところでありまして、是非こうしたことを通じて若い方々にもワクチン接種を進めていただければと考えております。
――政府で抗原検査キットを、薬局や自治体の窓口に配るという報道がありましたが、ワクチンを既に接種している若い方々、重症化リスクかなり低いと思うんですが、症状のある人全てに基本的には検査を受けてほしいと考えている、ということで現状、政府としてはよろしいでしょうか。
○木原官房副長官
ご指摘ございました、発熱外来に関しましては、まさにご指摘いただいたように、混雑を緩和しつつ、有症状者が必要な健康観察を受けられるようにする、こうした観点から有症状者の方々が発熱外来の受診に代えて検査キットによる検査を受けられる体制を整備するということで自治体に要請をし、また日本医師会にも協力のお願いをしたところであります。
またその後の発生届に関して、高齢者や重症化リスクのある方以外につきましては、都道府県等において体調悪化時に確実に対応できる体制を構築している場合に届け出の記入事項を減らすなど、医療機関の負担軽減を図っているところであります。
そしてご質問いただいた点、例えば東京都などにおきましては、自主検査で陽性になった方々に、ウェブのやりとりで発生届を出すというようなことを始められているわけでありますが、こうした東京都の取り組みなども政府の方針に沿ったものでありますので、こうした取り組みもぜひ進めていっていただければというふうに考えております。
いずれにしても政府としては引き続き科学的な知見の収集に努めるとともに、感染状況を踏まえ、社会経済活動をできる限り維持しながら重症化のリスクがある高齢者を守る対策に取り組んでいきたいと考えております。
――米中首脳会談について。
アメリカのバイデン大統領と、中国の習近平国家主席は、昨日電話会談しました。
会談では、中国が軍事圧力を強める台湾をめぐって、お互いを牽制する形になりました。
一方、気候変動対策では、協力を続ける方針で一致しています。
今回の会談では、台湾などで緊張関係が高まる中で、米中の衝突を回避する意図もあったと思いますが、政府としての受け止めをお願いします。
○木原官房副長官
米国時間の28日、バイデン大統領と習近平国家主席との間で電話会談が行われ、そして気候変動や健康安全保障を含む、地域および国際社会の問題、そしてご指摘いただいた台湾情勢をはじめとする、米中関係などについて2時間以上にわたって議論が行われたと、このように承知をしております。
第3国間の会談についてでありますから、コメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げますと、米中両国の関係の安定、これは国際社会にとって極めて重要であると、このように考えております。
我が国、日本としては、引き続き同盟国である米国との強固な信頼関係のもとで、さまざまな協力を進めつつ、中国に対して、大国としての責任を果たしていくように働き掛けをしていきたいと考えております。
――対中国外交について。
ことしは日中国交正常化50周年になりますが、日中首脳会談の調整状況を含めて、中国とどのように向き合っていくか。
○木原官房副長官
日中関係につきましては、日中間にさまざまな課題があるということは、これはもう紛れもない事実であります。
我が国として引き続き毅然と対応してまいります。
そして主張すべきことは主張し、先ほども申し上げましたが、責任ある行動を求めていきたいと思います。
同時に、共通の諸課題については協力をするという、建設的かつ安定的な日中関係を、双方の努力で構築していくということが重要であると考えております。
お尋ねをいただきました、習近平国家主席との会談につきましては、現時点で何も決まったものはありませんが、いずれにせよ、さまざまなレベルでの対話は重要でありますので、主張すべきは主張しつつ具体的に考えていきたいと思います。
――話題がコロナに戻ります。
政府は病床使用率が50%を超えるなど、一定以上の医療機関への負荷が認められる場合、都道府県が独自に「BA.5対策強化宣言」を出す仕組みを導入する方向で調整してます。
新たな仕組みの導入の狙いと、いつから運用を開始するかスケジュールについて教えてください。
○木原官房副長官
昨日の全国知事会議の緊急建議におきましては、まん延防止等重点措置に至らない場合にも都道府県知事の要請による国の事態認定を可能とすること。
そしてオミクロン株の特徴を踏まえ、具体的かつ多様な対策について知事が地域の実情を踏まえた選択ができるようにすることについて国の方に御要望いただいたところであります。
これを受けまして、今回、BA. 5対策として、住民や事業者への協力要請、また呼び掛けを強化する都道府県の宣言に基づいて、国がBA. 5対策強化地域と位置付けて、社会経済活動を維持しながら、感染拡大に対応する。
こうした都道府県の取り組みを国としても支援することとしたいと考えております。
スケジュール等のご質問がありましたが、具体的な取り組み等につきましては、本日、政府対策本部を持ち回りで開催をして決定をしたいと考えております。
――旧統一教会と議員のつながりについてお伺いします。
昨日の記者会見で公明党の北側副代表が与野党のつながりが指摘されていることについて様々な事件が過去にあったことを指摘したうえで、「そうした反社会的な団体から支援を受ける、行事に参加することは慎重でなければいけない。団体に利用されてしまうことにもなりかねない」と述べました。
与党の幹部が旧統一教会を反社会団体と明言した形ですが、これに対する政府の受け止め、考え方を教えてください。
また、政府として反社会的勢力と認識しているのか、あるいはどういった団体と認識しているのか政府の見解を伺います。
○木原官房副長官
今ご紹介いただきました、報道につきましては承知をしておりますが、北側公明党副代表、党のお立場で発言されたものと承知をしておりますので、政府としてのコメントは差し控えたいというふうに思います。
また政府として、反社会的勢力という言葉もあらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難であると考えておりまして、この点につきましてもお答えを差し控えたいと考えております。
――予備費について。
先ほどの閣議で、物価高騰対策として節電ポイント、肥料高騰の補助にあてる費用として予備費からおよそ2600億円を支出することが決定されたと思います。
改めて今回の予備費の活用の意義、一方で物価高騰の影響が続く中でさらなる対応を求める声もあります。
政府として今後どう対応すべきのか。
○木原官房副長官
ご紹介いただいたとおり、けさの閣議におきまして、新型コロナウイルス感染症及び原油価格、物価高騰対策予備費の支援を決定をいたしました。
具体的には、電力需給逼迫と電気料金高騰の両方に対応する枠組みとして、電力会社の節電プログラムへの登録に対してポイントを付与するための電力利用効率化促進対策事業、また肥料価格の高騰に伴うコスト増を抑制するための肥料価格高騰対策事業、これらの事業に必要な経費として合計2,572億円を措置をするとそういう内容でございます。
今後とも予備を活用しつつ、新型コロナウイルス感染症やまた原油価格物価の高騰による国民生活また経済活動への影響に機動的に対応してまいりたいと考えております。
――再びBA.5対策強化宣言に戻る。
すでに大阪府が実施している高齢者の外出自粛要請などの取り組みを今後、各自治体が行うことを国が後押しする仕組みだと理解しております。
政府はこれまで慎重な姿勢を示している行動制限には当たらないんでしょうか。
行動制限当たらないとするならば、その違いを説明お願いします。
○木原官房副長官
まず先ほども申し上げました通り、全国知事会からもですね、このオミクロン株の特徴を踏まえて、具体的かつ多様な対策について、知事が地域の実情を踏まえた選択ができるようにするということについての要望をいただいているわけであります。
こうした地域の特性を踏まえた、さまざまな対策について国としても、その取り組みを支援をしていくということであります。
加えて、重要なことは社会経済活動を維持しながら感染拡大に対応すると、そういう都道府県の取り組みを支援するということでありますので、ぜひ感染拡大防止、そして社会経済活動の維持回復、これをともに追求をする取り組みとして、われわれもしっかり支援をさせていただきたいと考えております。
――外出自粛などは行動制限という理解と違うのか。
○木原官房副長官
一律に、全国一律でこの行動制限を求めるということではなく、各地域の実情に応じたそれぞれの知事のご判断での取り組み、これを支援をさせていただくということであります。