×

ヒジャブ巡り拘束女性死亡 国営テレビをハッキング 最高指導者に“銃の照準”映像が… イラン

2022年10月10日 20:03

イランで髪の毛を隠す「ヒジャブ」というスカーフの着け方をめぐり、女性が拘束され死亡した問題で、イランだけでなく世界各地で抗議デモが起きています。さらに、イランの国営テレビがハッキングされ、最高指導者に銃の照準を合わせる映像が流れるという事態も起きています。

    ◇

イランで髪の毛を隠す「ヒジャブ」というスカーフの着け方をめぐり、9月にマフサ・アミニさん(22)が拘束され死亡した問題で、7日にイランの警察が新たな映像を公開しました。

拘束され警察署に入ったアミニさんは、座っていた席から立ち上がり、女性警察官の方へ歩いていきました。すると、服を触りながら、警察官に何かを説明しているような仕草を見せました。警察官はアミニさんが身に着けている布を手に取り、2人で服装について話し合っているようでした。その直後、アミニさんは体勢を崩し、床に倒れこみました。

警察は、「アミニさんが心臓の不整脈などに見舞われ意識を失った」と主張しました。ただ家族は、遺体に打撲など暴行を受けた痕跡があると主張しています。

   ◇

アミニさんの死は“警察の暴行によるものではないか”と疑念が広がり、抗議デモはイランだけでなく、世界各地で起きています。

さらに、イランの国営テレビがハッキングされるという事態も起きました。ニュースの放送中、突然、画面が切り替わり、映し出されたのはイランの最高指導者ハメネイ師に銃の照準を合わせるかのような映像です。アミニさんの写真も表示され、「女性」「命」「自由」が歌詞となった曲が流れました。

AP通信によると、この映像はイラン国営テレビがハッキングされたもので、15秒間にわたって流れたということです。