宮下洋一・三浦英之 両氏が同時受賞 「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」授賞式
優れた国際報道に贈られる「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」の授賞式が都内で行われ、ジャーナリストの宮下洋一さんと新聞記者の三浦英之さんが同時受賞しました。
この賞は、2012年にシリアで取材中に銃撃を受け亡くなった、ジャーナリスト・山本美香さんの遺志を継ぐべく、果敢かつ誠実な国際報道につとめた個人に贈られるもので、ことしで10回目になります。
宮下洋一さんはアメリカやスペインなどで死刑囚や被害者側の遺族らを丹念に取材することで死刑の意味に迫り、「答えは一つではない問いを追求していく真摯な姿勢」が評価されました。フランス在住の宮下さんはリモートでスピーチしました。
ジャーナリスト・宮下洋一さん「リモートでのスピーチができるように世界は小さくなったのかもしれない。しかし世界は我々の想像以上に大きい。イエスかノーで答えられるような簡単な世界ではありません」
三浦英之さんは、戦後の経済成長期、アフリカのコンゴに駐在した日本人労働者と現地人の女性との間に生まれた子供が、企業の撤退にともない母親とともに置き去りにされ、貧困や差別にあえぐ状況を一冊の本にまとめました。
新聞記者・三浦英之さん「本書の受賞で日本では全く知られてこなかったアフリカに取り残された日本人残留児たちの問題に光が当たることを心から願っています」
三浦さんはまた「山本美香さんが常にまなざしにたたえていた優しさを引き継ぐ者に私はなりたい」と語りました。