「X」有料化へ?――マスク氏、全ユーザーに課金か zeroアンケ―トで「やめる」61%…「無料の気楽さが魅力的なのに」
旧Twitter『X』のイーロン・マスク氏が、全ユーザーの有料化に触れました。背景には、ボットによる自動投稿対策があります。『news zero』がX上で行ったアンケートでは、61%の人が「やめる」と回答。落合陽一さんらと今後の行方を考えます。
有働由美子キャスター
「またこの人の発言が波紋を広げています。旧Twitter『X』のオーナー、イーロン・マスク氏が、ついに利用者全員の有料化に言及しました。少額だとは言っていますが、皆さんはどう考えるのか、『zero』はX上でアンケートを行いました」
「6266もの回答をいただきました。その結果、『やめる』という人が61%、『料金次第』が35%、『続ける』が4%でした」
「アンケートのコメントでは、『無料で気楽に見られることが魅力的なので、課金してまではしなくていいかなぁ』『課金制で人口が減るとなると、続ける必要がないと思ってしまう』という声が寄せられました」
「また『ここでしか繋がっていない人もいるので、金額が高くなければ続ける。月額500円程度なら』という向きも。厳しい意見の方、戸惑っている方もいますが、マスク氏はなぜこんなことを言い出したのでしょうか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「マスク氏が問題にしているのは『ボット』というものです。この言葉、元はロボットから生まれた言葉で、人の代わりにコンピューターが自動でやってくれるプログラムのことです」
有働キャスター
「自分で書き込まなくても、自動的に投稿してくれるものですね」
小野委員
「今問題なのは、悪いボットがはびこっていることです。フェイクニュースを広めたり、嫌がらせやヘイトメッセージを送りつけたり。これをどう封じ込めたらいいか、マスク氏は考えました」
「そこで、アカウント1つ1つを有料化すれば大量のボットを維持するのに費用がかかり、ボットは減っていく。それがマスク氏の考えのようです。ただ、どう具体的に有料化するかは、まだはっきりしません」
有働キャスター
「こうなるとXはどうなっていくのでしょうか?」
小野委員
「ITジャーナリストの石川温(つつむ)さんは『課金制にするとクレジット登録も必要になり、18歳未満は使わなくなってXの価値が落ちていくのではないか』と指摘します」
「石川さんはまた、『本来は有料化するのではなく、悪質な投稿などを監視して対処することの方が大事だが、今は人員削減でそうした人材がいなくなっていて先行きが不安だ』と話しています」
有働キャスター
「有料化したらやめる、という方が多いです」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「まず、お金を払っている人だけが利用するようになると、全体として治安が良くなるという仮説を持っています」
「例えば、僕のXは1か月3ドルほど払うと裏話や少し良い写真など、有料ユーザー限定の投稿が見られますが、多少変なことを言われても、有料の人なら我慢できます」
「そもそも課金したアカウントで殺害予告する人はあまりいないですよね。クレジットカード情報で身バレすることもありますし」
「最近Xは広告費をユーザーに配分していますが、マスク氏は、YouTubeのようにそれで暮らせる人をつくるには課金ユーザーを増やすべき、という考え方なのではないかなと思っています」
「有料ユーザーから得られた利益をコンテンツを提供する側に配分するのはフェアな仕組みだと思います。おそらく、最終的にXのコミュニケーションは少し“おしゃれ”になるのではないかなと思います」
有働キャスター
「今、無料だからみんながたくさん使えて、防災や災害が起きた時の情報(発信)にも使われます」
落合さん
「テレビを見るしかないかもしれないですね。もしくは他のものが始まるか…」
有働キャスター
「いずれにしても、本当に有料化するかどうか、言ったきりも多いマスク氏ですので、少し様子を見てみようかと思います」
(9月19日『news zero』より)