激戦州で“黒人票奪い合い” 来週に迫ったアメリカ大統領選 ハリス候補の伸び悩みの理由
いよいよ来週に迫ったアメリカ大統領選挙。勝敗の行方を左右するのが激戦州です。そのうちジョージア州は黒人有権者の割合が高い州です。本来ならハリス候補が有利となるはずの州なんですが、今、黒人票が伸び悩んでいるんです。その理由とは?
民主党候補 ハリス副大統領(先月24日)
「こんばんは、ジョージア。アトランタに戻ってこられてよかった」
激戦州のひとつ、アメリカ南部・ジョージア州で支持を訴えたハリス氏。集会では、黒人からの高い人気を誇るオバマ元大統領や俳優のサミュエル・L・ジャクソン氏など黒人の著名人らが次々に登壇しました。
このジョージア州で勝敗のカギを握るのは、人口の約30%を占める黒人有権者です。黒人票は元々、与党・民主党の支持基盤である上、今回、黒人のハリス氏が候補者となったことで支持獲得に期待がかかっています。
黒人系団体代表
「若い有権者は盛り上がっている。女性は間違いなく興奮していて、特に黒人女性は熱狂的」
一方…
共和党候補 トランプ前大統領(先月28日)
「こんにちはジョージア、愛しています」
4年前の大統領選では、ジョージア州でバイデン大統領に僅差で敗れたトランプ氏。
トランプ陣営
「私たちは共和党員(トランプ氏)をジョージア州で選出しなければ」
今回は絶対に負けられないと、ジョージア州には1つも設けられていなかった選挙事務所を立て続けに開設するなど、票の掘り起こしを図っています。
ジョージア州で1票を争う僅差の戦いを続ける中、今、ハリス氏への黒人の支持率が82%と、前回、前々回の民主党候補が獲得していた約90%に比べて伸び悩んでいるのです。
実は、特に黒人の男性の支持がトランプ氏に流れているのだといいます。
記者
「アトランタにある理髪店では、トランプ陣営による黒人ビジネスリーダーとのディスカッションが行われています」
アトランタで行われたトランプ陣営の黒人向けのイベント。トランプ氏も、リモートで参加しました。
共和党候補 トランプ前大統領
「今インフレは壊滅的で、黒人コミュニティーを苦しめている。私たちは再びこの状況をよりよいものにしてみせる」
会場の外で、トランプ氏の話を聞いていた黒人男性は。
トランプ氏を支持
「なんだよ! トランプが見たかったのに」
トランプ氏を支持しているといいます。
トランプ氏を支持
「トランプの時はすべてがよかった。戦争もなかった、経済もよかった」
トランプ氏を支持
「トランプはその(大統領になるべき)男だ。彼は黒人有権者に働きかけている」
なぜ、トランプ氏に黒人の支持が流れているのか。
共和党の黒人系団体の代表は、バイデン氏が大統領になって以降の物価高などへの不満をあげた上で…
ジョージア黒人共和党協議会 ムーア代表
「トランプ氏が法廷に立つたびに黒人からの支持が増えています。アメリカでは、司法制度は黒人社会の味方ではないからです」
アメリカでは、黒人に対する警察の厳しい対応がたびたび問題視されていることから、トランプ氏が4つの事件で起訴され「無実だ」と訴える姿に共感する黒人が多いのだといいます。
さらに専門家は、黒人男性には「女性は男性を支えるべき」という保守的な考えをもつ人も多いとされるため、検察官として華々しいキャリアをもつハリス氏には共感せず、保守的な家族像をもつ共和党の支持に回るのではないかと指摘します。
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急きょ、黒人企業家向けの小口融資や黒人男性の教員資格の取得支援など、黒人男性に特化した政策も打ち出し巻き返しを図るハリス氏。選挙戦の最終盤まで、黒人票のし烈な奪い合いが続いています。