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“戦闘休止”も…ガザ地区に黒煙 前日には空爆「300回」 人質解放は

2023年11月24日 19:59

イスラエルとイスラム組織ハマスが合意したガザ地区での戦闘の一時休止期間が日本時間24日午後2時から始まりました。日本時間午後11時にはまず、人質13人が解放される予定です。

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日本時間午後2時に戦闘の一時休止期間に入りましたが、そのわずか数分後には、ガザ地区から黒煙が激しく噴き上がっていました。戦闘休止は履行されるのか、世界が固唾をのんで見守っています。

予定では、日本時間午後11時にハマスが拘束し解放に合意している人質50人のうち、最初の13人が解放されます。人質の解放を求めてきた家族からは、この合意を歓迎する声が上がっています。

人質の親族
「この合意を心から喜んでいます。親族の名前が解放リストに載ることを心待ちにしています」

一方、イスラエル軍は、戦闘休止を前にガザ地区の広範囲で激しい攻撃を行いました。

23日、イスラエル軍は、ガザ北部ジャバリアでの地上作戦の様子を公開しました。戦車などとともに進軍するブルドーザーが、建物の塀をなぎ倒していきます。

別のイスラエル軍の部隊は、ハマス幹部に関わりがあるという建物に入りました。

イスラエル軍
「ベッドの下には数多くの爆薬などがあり、作業の跡を発見しました」

イスラエル軍は「ハマス幹部が活動する住宅を見つけ、寝室や子ども用ベッドの下から大量の武器と作戦計画を発見した」と主張しました。

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ガザ地区南部ハンユニスの住宅街では23日、イスラエル軍による空爆が行われました。崩壊した建物の中から、次々とケガ人が搬送されていきます。

住民
「建物全体が崩れました。子どもたちは何もしていないのに、なぜこんなことが起こるのでしょうか!」

さらに、ガザ地区中部の難民キャンプにも空爆があり、AP通信によると、少なくとも12人が死亡したということです。

ロイター通信によると、イスラエル軍は、戦闘の一時休止の前日となる23日に、300回にも及ぶ空爆をガザ全域に行ったということです。

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イスラエルとハマスの合意では、戦闘休止は少なくとも4日間で、さらなる人質の解放があれば、休止期間は延長されることになります。仲介役を担ったのは、カタールです。

カタール外務省報道官
「これが永続的な停戦につながることが目標です」

しかし、イスラエル側は戦闘の休止期間の終了後、すぐに攻撃を再開する構えを見せています。

イスラエル ハガリ報道官
「ガザ北部の制圧は長く続く戦いの第一段階です。我々は次の段階への準備を進めています」

これに対し、ハマス側は「侵略がいかに長く激しくなっても、我々は敵と対峙(たいじ)し続ける用意がある」としています。

果たして、停戦へとつなげることができるのか、予断を許さない状況が続いています。