いまも借家に…ハワイ・マウイ島山火事から1年、影響長期化 観光に“依存”新たな課題は
102人が死亡した去年8月のハワイ・マウイ島の山火事の発生から、1年を迎えました。観光に依存する現地では、新たな課題も出てきています。
現地時間8日、マウイ島のお寺では、犠牲者の冥福を祈る法要が行われました。
ただ、本堂は焼け落ちた当時のまま……。
去年8月8日に起きたマウイ島の山火事では102人が亡くなり、島一番の繁華街・ラハイナが壊滅的な被害を受けました。
アーノルドさおりさんは、火災で自宅を失いました。
その場所を訪ねると…
アーノルドさおりさん
「すごい片付いていますね。何もなくなってしまった…」
「私たちがもらえる(保険金の) 金額では、その倍ないとマウイでは家が建たない 。今もまだ(焼けた家の)ローン が残っているのに、ここからまた(新たな)ローンを払っていかなきゃいけないかと思うと、ちょっとね…」
自宅再建の見通しも立たぬまま、今は借家で暮らしています。
アーノルドさおりさん
「ここで、8回目の移動(引っ越し)です」
観光が中心だったこの島には、長期で借りられる家が少なく、自宅を失った被災者の多くはホテルなどを転々としながらの生活が続いているのです。
ラハイナの仮設住宅も、山火事から1年が過ぎた今週末に、ようやく入居が始まるといいます。
また、観光業に依存するハワイ。伝統的な装飾、レイを販売するお店では…
レイショップオーナー ブリトニー・フィシェルさん
「経営状況は去年よりよくなったけど、まだ山火事の前ほどには戻っていません」
ワイキキのあるオアフ島などで、旅行者数がコロナ前の水準に戻りつつあるなか、マウイ島はまだ3割近く減ったままです。
ハワイ州 グリーン知事
「旅行客の75%は戻ってきたが、 ラハイナが再建されるまで、戻ってこない旅行客も多いでしょう」
影響の長期化も懸念され、復興に向けた道筋はまだ見通せないままです。