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このあと日米首脳会談 ウクライナ支援や原爆資料館の訪問…アメリカ側の考えは

2023年5月18日 17:40
このあと日米首脳会談 ウクライナ支援や原爆資料館の訪問…アメリカ側の考えは

18日夜、日米首脳会談が開催されます。ウクライナ支援や原爆資料館の訪問についてのアメリカ側の考えは…アメリカ側のプレスセンターから伝えてもらいます。

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――アメリカは今後のウクライナの支援についてどのように考えている?

今回、アメリカはG7としてロシアへの制裁を強化したい考えです。G7各国の足並みを揃え実効性のある措置を打ち出せるかが焦点です。

ウクライナの反転攻勢が始まるとみられる中でウクライナ支援の中心を担うアメリカですが、どこまで支援を継続できるのか国内に問題を抱えています。

現在のウクライナ支援予算を夏にも使い切る可能性も指摘される中、野党からは今の支援を見直し支出の削減を求める声も上がっています。議会の下院では、野党が過半数を占めていることから大規模なウクライナ支援を継続できるかは野党との交渉にかかっているといえます。

――まもなく日米首脳会談が行われますがどのようなテーマが議論になる?

ウクライナ侵攻を続けるロシアや威圧的行動を強める中国への対応などサミットに向けた議題をすりあわせるとみられます。

今回、バイデン大統領はサミット後にパプアニューギニアとオーストラリアを訪問しインド太平洋地域で影響力を強める中国への抑止力を強化する狙いがありました。しかし、アメリカ政府の「債務上限」引き上げ問題の野党との交渉が難航しパプアニューギニアとオーストラリアの訪問を急遽、とりやめることになり出鼻からつまずいた形です。

――19日の原爆資料館の訪問ではバイデン大統領はメッセージを出したりするのでしょうか?

「核なき世界」に向け強いメッセージを発信したい岸田総理とは温度差があります。

アメリカ国内には原爆投下については「戦争を終わらせるために必要だった」という考え方が根強くあります。日米外交筋は「ホワイトハウスの中でも当時の政府の判断は正しかったという意見がある」と話します。サリバン大統領補佐官は今回、バイデン大統領が原爆投下について謝罪をする考えはないと明言しました。また、原爆資料館を訪問するもののバイデン大統領が発言をする機会はないと述べました。その理由について「バイデン大統領の考えでは日米2国間の行事ではない」としています。オバマ元大統領は三重県で開かれたサミット終了後に広島を訪問し、演説を行いました。バイデン氏とオバマ氏では事情が異なるというわけです。

また、ロシアによる核兵器の威嚇中国の核戦力の増強核開発を進める北朝鮮。こうした現実に向き合うことが求められる中、政府高官は「自国や同盟国を守るためには、健全な戦略的抑止力も必要だ」と強調しています。

G7として核軍縮を進める決意を発信すると共に抑止力を強化するためどのような現実的なメッセージを打ち出すのか。日米首脳会談での議論が注目されます。