領有権めぐり…中国がフィリピンに声明発表
フィリピンと中国が、南シナ海での領有権をめぐり、争っている問題で、中国政府はフィリピン側に対し、「基本的な礼儀と身分をわきまえるように」などとする声明を発表しました。
南シナ海のスカボロー礁の領有権をめぐっては、今年3月に南沙諸島周辺で200隻以上の中国船が確認されて以降、フィリピンと中国の間での緊張が高まっています。
こうした中、フィリピンのロクシン外相は3日、ツイッターに「うせやがれ」などと投稿し、強い表現で中国側を非難しました。ただ、フィリピン大統領府によりますと、その後、外相は「頭に血が上った結果、冒とくした」と、在フィリピンの中国大使に謝罪したということです。
フィリピンのドゥテルテ大統領は、3日に中国製のワクチンを接種し、中国側の援助に感謝の意を示していて、外相の謝罪も中国側への配慮を示したものとみられます。これに対して、中国外務省は、4日、声明を発表し、「スカボロー礁は中国の領土だ」とした上で、「関係者は発言の際に、基本的な礼儀と身分をわきまえるよう望む」などと主張しました。
ただ、領有権をめぐる両国の主張は平行線をたどっていて、対立は今後も続く見通しです。