北朝鮮へビラ散布の朴代表ら 文大統領告発
北朝鮮に向けて体制批判のビラを散布したとして、韓国警察の捜査を受けている脱北者団体の代表らが、13日、「表現の自由を圧殺する捜査指示を与えた」などと主張し、文在寅大統領を検察に刑事告発しました。
脱北者団体「自由北朝鮮運動連合」の朴相学代表は、先月末、南北軍事境界線近くから北朝鮮に向けて、体制を批判するビラ50万枚などを散布し、今月に入り、警察が事務所の家宅捜索を行っています。
これを受けて、朴代表らは13日、「国民の表現の自由を圧殺する捜査指示を与えた」と主張し、文大統領を与敵や利敵の罪などで検察に刑事告発しました。与敵罪は、“敵国と組んで国家にあらがうこと”を罰する刑法上の罪です。
朴代表らは「韓国の情報を含むビラを飛ばせないようにすることは、北朝鮮に利益を与えること」「15年間の散布で、国民は誰もケガをしていない」と主張し、当局の強制捜査や、ビラ散布を禁じる法改正を進めた韓国政府を批判しました。
この団体のビラ散布をめぐっては、今月2日に、北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏が、「くず連中の許せない挑発行為」と非難し、韓国政府に対しても、阻止しなかったとして「相応の行動を検討するだろう」と警告。韓国の警察庁長官が迅速で徹底した捜査を行うよう指示していました。
去年6月には、開城の南北共同連絡事務所の爆破につながるなど、南北関係の火種になっています。