ゼレンスキー大統領、各国首脳と相次ぎ会談 G7広島サミット
G7サミットに参加するため広島に到着したウクライナのゼレンスキー大統領は、インドのモディ首相ら各国の首脳と相次いで会談しました。
ゼレンスキー大統領はモディ首相との会談で、ロシア軍の完全撤退などウクライナが求める和平案の実現に協力を呼びかけました。地雷の除去や移動式病院の支援の必要性についても説明したということです。
これに対しモディ首相は、ウクライナ情勢が「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国に対し、食料危機など深刻な影響を与えていると懸念を表明しました。
また、モディ首相自身が外交を通じた対立の解決に全力を尽くす考えを伝えました。
インドは対ロシアで中立の立場を維持している「グローバルサウス」の代表格で、ゼレンスキー大統領は、今回こうした国々に直接、ウクライナへの支援を訴えていく方針です。
ゼレンスキー大統領は、このほか、フランス、ドイツ、イギリス、イタリアの首脳らと相次いで会談しました。
一方、アメリカのバイデン政権は、ウクライナが求めているF16戦闘機について、ヨーロッパの同盟国からの供与を容認する姿勢を示しました。これまで戦闘機の支援には慎重な姿勢でしたが、ウクライナ軍のパイロットへの訓練を支援する方針を明らかにしました。これにより今後の戦況に大きく影響を与える可能性があります。ゼレンスキー大統領は21日、アメリカのバイデン大統領と会談する予定で、戦闘機の供与について直接、話し合うとみられます。
これに対しロシアは反発していて、タス通信は、ロシアの外務次官がF16の供与について、「情勢をエスカレートさせ、大きなリスクを伴う」と非難する発言を伝えています。