北京のフィギュア会場では早朝から羽生結弦選手のファンの姿が。ゲートでは学校の宿題をしながら羽生選手の到着を待つ姿も。会場が見える場所にあるホテルでは、応援の旗を持ち込み、思いを届けたファンたち。その“運命の一日”を追った。

■朝5時起きで会場の外にスタンバイ

8日の朝7時、会場へ行くと、すでに数人のファンの姿が。話を聞くと、朝5時に起きて駆けつけたという。会場には招待客のみが入場できるため、多くのファンは中に入れない。それでも、少しでも近くで思いを届けたい、と応援に来たという。演技はスマホで観戦していた。また、複数のファンから共通して出た言葉が、「何よりもケガをせずに、ベストを尽くして欲しい」という言葉。ケガとも戦ってきた羽生選手を知るからこそ出る言葉で、みなさん数年は応援を続けているファンばかりだった。

■会場入りを待ちながら“宿題”も

また、情熱を感じさせたのが、学校の「宿題」をしながらゲートでバスを待ち続けていた女性。提出期限が迫るが、応援に来ずにはいられなかったという。結局、羽生選手のバスを見つけることは出来なかったが、「宿題は終わりました。羽生選手の姿は『どんな困難があっても諦めない、頑張り続ける』と私を励ましてくれます」と話した。そして「どんな結果になったとしても、あなたはすでに王者であり、偉大なアスリートだ」と、熱いエールを送った。

■日本からの応援旗を持ち集合したファン

一方、会場をのぞめる場所にあるホテルに集まり、一緒にテレビで応援したファンもいた。壁には多くの応援の旗が。日本のファンから「是非私たちの分まで応援して欲しい」と託されたものだという。さらに、お互いSNSを通じて最近知り合ったばかりで、「羽生選手がつないだ縁だ」と笑った。羽生選手の出場順が近づくにつれ、窓の外に見える会場に念を送ったり、室内をうろついてみたり。落ち着きをなくした彼女たちの緊張が、こちらにも伝わってきた。

■「我々は永遠にあなたを応援する」

プーさんの人形を握りしめ、試合を見守るファンたち。リンクの溝にはまってジャンプが1回転になるアクシデントの際には、思わず悲鳴に似た声が出た。それでも、後に続くジャンプが成功する度に拍手を送り、最後まで真剣な応援は続いた。次のフリーに向けて「羽生選手が最高の自分自身を発揮できることを信じている」「4回転アクセルを必ず成功させて欲しい。一方で、最後の結果がどうあっても、我々は永遠にあなたを応援します」と語ったファンたち。

10日はさらに熱のこもった応援をするつもりだ。