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米テロ ビルから脱出まで記録“今の思い”

2021年9月16日 22:15

2001年のアメリカ同時多発テロでワールドトレードセンタービルに飛行機が衝突した直後、ビルの中から脱出するまでを写真に記録していた人がいます。20年たった今の思いを聞きました。

アメリカ・ニューヨークにあるワールドトレードセンター北棟の45階にあるオフィスで働いていた時、同時多発テロに遭遇した本田一寿さん。出勤後、パソコンがいきなり「ジリジリ」と音を立て始めたといいます。

本田一寿さん「いきなり『ドーン』というかすごい横揺れで、立っていられないぐらいになりまして、ただそんなに長い時間揺れていた記憶はないですね。2~30秒ぐらいで揺れがおさまったような記憶です」

北棟の上層階に1機目の飛行機が突っ込んだ際、45階のオフィスは揺れましたが、館内放送もなく冗談を言い合うぐらい平穏だったそうです。

外の様子を見るため、本田さんはオフィスのブラインドを開けた所、色んなモノが落ちてくるのを見て、“使い切りカメラ”で窓の外を撮影したといいます。

本田一寿さん「ブラインドを開けましたらガラスとかトイレットペーパーや書類が、紙吹雪のように舞っている状況だったので」

写真には上層階から落ちてくる書類やガラス片などが、数多く撮影されていました。トイレに立った時、排気口から煙が吹き出すのを見て、同僚らと一緒に非常階段で1階へ向かいました。

本田一寿さん「血だらけの人とかがですね、まずケガ人から通してくれということで、ケガをした人が(上の階から)どんどん降りてきますし、下からは消防隊の人が赤い顔でハンマーや消火器を持って、どんどん上がってくるので私たちは『頑張れ』と応援していた」

およそ1時間あまりで下までたどりつきました。スプリンクラーで水浸しだったというロビーで撮影した写真も。

本田一寿さん「がれきだらけでこんながれきが当たったら死んじゃうなと思いまして、(外に)出て大丈夫かなとビルにいた方が安全かなと思うぐらいがれきがすごい落ちていましたね」

外に出ると自分たちがいたタワーが燃えているのが目に入り、とにかく逃げようと、同僚と共に当時住んでいた寮に向かって歩き始めました。

本田一寿さん「わっと人がすごい勢いで走り始めたので、何だろうと思って振り返ると、ビルがドーンという音がしてドーッと無くなっていくんですね、あの大きいビルが」

事件から20年たっても、あの日のことは忘れないといいます。

本田一寿さん「この時期になると涙もろくはなります。当時怖かったなとか思ったりですとか、9月はちょっとあまり好きじゃない月というか、20年たったから(記憶が)色あせたとかそういうことは全くないですね」