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2021年11月26日 17:38

ワクチン効果弱まる可能性も…新たな変異株

ワクチン効果弱まる可能性も…新たな変異株
(c)NNN

感染力が強く、従来のワクチンの効果が弱まる可能性も指摘されている新たな変異株が南アフリカで見つかりました。どのような特徴があって、どこまで広がっているのかなど、詳しくお伝えします。

■東京都…感染状況の5段階レベルを新たに設定

まずは、東京都が打ち出した新たな行動制限の緩和策についてです。これまで都が認証した飲食店で入店できるのは、1テーブル4人までと呼びかけられていましたが、来月1日からは1テーブル8人までに緩和されます。

さらに、ワクチン接種済みであることを示すTOKYOワクションのアプリや、接種済証などを提示した人は人数に含まないということです。

こうした緩和の一方で、都は新たに感染状況をあらわす5段階のレベルを設定しました。

現在はレベル1状況です。飲食店に人数制限の協力を依頼しています。新規感染者が500人程度になるとレベル2になって、依頼ではなく要請になります。

そして、レベル2と3の間にこれまでなかったレベル2.5が加わりました。これは感染者が700人程度が目安で、感染状況に応じて飲食店に対し時短要請などを行うとしています。

小池都知事は、感染状況が落ち着いているこの機会に備えを着実に進めていくと話していました。


■南アフリカで新たな変異株

こうした中、少し心配なニュースが飛び込んできました。南アフリカで、ワクチンがあまり効かないかもしれない新たな変異株が検出され、大きな懸念を呼んでいます。

南アフリカは、アフリカ大陸でも最も感染者数が多い国ですが、今月初めには、1日あたりの感染者数は数百人程度で推移していましたが、下旬になって急増し、25日には2500人近くになりました。

専門家は、今後さらに爆発的に増加する可能性があると警告しています。

その主な要因とみられているのが、南アフリカの保健当局が25日に発表した「B.1.1.529」と呼ばれる新たな変異株です。

BBCによると、これまでに少なくとも77人の感染者から検出されているということです。

これまでの変異株とはどう違うのか、まだ詳しいことは分かっていないですが、専門家らは新たな変異について「ウイルスが進化する過程で大きな飛躍をした」などと表現し、非常に珍しい変異だと強調しています。

というのも、ウイルスが細胞に感染する際の足がかりとなるスパイクと呼ばれるタンパク質上で、普通なら数か所程度の変異が、この変異株では30か所以上に変異が認められるなど、これまでで最も激しい変異だと指摘されています。

BBCは「従来株とは根本的に異なっているため、従来株をもとに設計された現在のワクチンはあまり効果がないかもしれない」との専門家の分析を伝えています。

さらに、ウイルス自体の感染力もデルタ株などよりも強い可能性もあるとされていて、WHO(=世界保健機関)は27日、緊急会合を開き、対応策を話し合う予定で、この変異株に新しいギリシャ文字の名前をつける見通しです。

また、この変異株は、南アフリカ以外にもこれまでにボツワナで4人、香港で2人確認されています。ボツワナの4人は、全員ワクチン接種済みだったということです。

香港では南アフリカから到着した男性1人と、その人が泊まっている隔離ホテルで向かいの部屋にいた男性1人の感染が確認されたということです。ただ、香港では今のところ、市中感染などの広がりはないということです。

こうした事態を受けて、イギリス政府は26日正午から、南アフリカやボツワナの他、周辺国を含めた6か国からのフライトを停止すると発表し、すでにこれらの国から到着済みの旅行客には隔離を求めています。


■日本の水際対策は?

日本の水際対策については原則、外国人の入国は認めていません。ただ、特段の事情がある場合は、出国前72時間以内に検査で陰性が確認されていることを条件に認めています。特段の事情というのは、ビジネス目的の短期滞在の場合です。

さらに、大学や企業が行動を管理することを条件に留学生、技能実習生も入国できます。観光目的の入国は認められていません。

ワクチン接種は入国の条件にはなりませんが、日本で承認されたワクチンを打っていれば、待機期間を短縮することはできます。

政府関係者によりますと、政府は南アフリカ、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、レソト、エスワティニの6か国に対し水際対策を強化する方針を固めました。入国者について、指定の宿泊施設で一定の期間、待機させる方向で調整を進めています。

ウイルスは常に変異しているので、新たな変異株が出てくること自体は全く不思議なことではありません。大切なのは、その変異の特徴をしっかり分析、理解し、新たなワクチン開発などの防衛策に速やかに反映させることです。

そして、私たちとしては、過剰に不安がることなく、日常的な感染対策をしっかり続けることも大切です。

(11月26日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)