外国スパイの「ロマンスの罠」に注意 中国・国家安全省、学生に呼びかけ
中国でスパイの摘発を担当する国家安全省は、外国の情報機関が中国人の学生に対し、恋愛感情を利用した「ロマンスの罠」を仕掛けてスパイ活動をしていると注意喚起しました。
中国では去年7月、反スパイ法の適用範囲を拡大した改正法を施行して以降、国民に通報を義務化したり表彰・報奨制度を定めています。
こうしたなか国家安全省は4日、公式アカウントで中国人の学生、とりわけ機密情報にアクセスできる学生に対し、外国のスパイ・情報機関が「ロマンスの罠」を仕掛けて誘惑していると主張し、注意を呼びかけました。
具体的には、学者やコンサルタントなどになりすまし、高額アルバイトの名目で判断力に欠ける学生を誘い込んだうえで「日常生活を援助して学生に好印象を与え、容姿端麗な外見を装って恋愛感情を抱かせる」と警告しています。また、「軍事区域の撮影や機密情報を収集させ、学生がスパイ活動から手を引こうとすれば、脅迫したり威嚇する」とし、職探しなどの際は十分に警戒するよう求めています。
治安強化を最優先に掲げる習近平政権の下でスパイ摘発を担う国家安全省の影響力も強まっていて、今回の注意喚起も、取り組みをアピールする狙いもありそうです。