日本時間13日午後2時半過ぎ、ロシアメディアが配信したロシア・ボストーチヌイ宇宙基地の映像には、2人の首脳の姿が映っていました。

ロシア・プーチン大統領
「尊敬すべき議長、貴方を再びロシアにお迎えし、お目にかかることができて大変嬉しく思います」

北朝鮮・金正恩総書記
「きょう対面の機会を設けてくれた大統領に、改めて心から感謝します」

ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金総書記。世界が注目する首脳会談が行われました。

　　　　◇

この日の午後1時半頃には、車を降りてきた金総書記が、ロシアのプーチン大統領に手を伸ばす映像が配信されました。

ロシア・プーチン大統領
「お会いできて嬉しい。旅はどうでしたか？」

北朝鮮・金正恩総書記
「お忙しい中、招待いただき、また、温かく迎えていただきありがとうございます」

2019年、首脳会談で初めて対面した2人。そのときも固い握手を交わしていましたが、今回もその様子は変わらないようでした。ただ、違うのは会談を行う場所です。

前回は、北朝鮮に近いウラジオストクでしたが、今回、会談が行われたのはウラジオストクからおよそ1000キロ離れた「ボストーチヌイ宇宙基地」。プーチン政権が宇宙開発の拠点として建設した重要な施設です。

2人は会談の前にその施設を視察しました。担当者から説明を受ける金総書記は、ノートのようなものに何かを書き込む様子もあり、そこには「最初の宇宙征服者たちをうんだロシアの栄光」と書かれていました。さらにロケットの発射台なども視察。宇宙技術について熱心に話を聞いているようでした。

ことし2度、軍事偵察衛星の打ち上げに失敗している北朝鮮。ロシアの宇宙開発分野で協力を得たいとみられます。

　　　　◇

そしてはじまった首脳会談。

ロシア・プーチン大統領
「我々は経済的相互関係の問題や人道的な問題について話し合う必要があります」
「地域情勢についても議題は多くあるので、お目にかかれて大変嬉しいです。お越しくださり感謝します」

北朝鮮・金総書記
「ロシアの大統領が取るすべての措置への全面的、無条件の支持を表明してきましたし、これからも反帝自主戦線でロシアと共にあると改めて明確にします」

　　　　◇

今回のロシアと北朝鮮の会談について専門家はどう見ているのか。

外交・安全保障が専門　明海大学・小谷哲男教授
「特に軍事面においては、ロシアはウクライナでかなり砲弾が不足していますので、この砲弾を北朝鮮から供与してもらいたいということなんでしょう」

そして、北朝鮮は偵察衛星などの宇宙開発に関する技術支援を得たい狙いがあるのではといいます。

明海大学・小谷教授
「見返りが北朝鮮からの砲弾ということで、かなり北朝鮮の方が有利な取引になる可能性が高いと思います」

国際社会は、両国の軍事分野での協力に警戒を強めています。