韓国の尹錫悦大統領は2日間の日本訪問を終え、まもなく帰国の途につきます。ソウルから同行している原田敦史記者が中継。

日韓関係の転換点となる日本訪問を終え、尹大統領はまもなく羽田空港から専用機でソウルに戻ります。

尹大統領は、菅前総理をはじめとする政治家や大手企業のトップらとも相次いで面会しました。今回の訪日を機に、政府間だけではなく、政財界の関係も正常化させ、関係改善の道筋を確かなものにする狙いです。

尹錫悦大統領「大韓民国の責任ある政治家として、韓日両国の青年世代のすてきな未来のために、勇気を持って最善を尽くします」

都内の大学で学生向けに行った講演では、両国の若者たちの交流に期待を寄せました。

──日韓関係はこのまま前に進んでいくのでしょうか？

大きな流れはできたと思います。ただ、韓国では日本側から直接“おわび”などの表明がなかったことに不満もくすぶっています。

今回の訪日は、韓国のテレビ全社が中継し注目されました。

尹政権に厳しい革新系メディアは17日、「日本の“誠意ある呼応”が皆無で、外交の惨敗」と批判。政権寄りの保守系メディアも評価の一方で、「日本側に進んだ立場がなく残念だ」と論評しています。

正常化の道筋はついたものの、今回の首脳会談での“新たな成果”は決して多くありません。言ってみれば、大きくマイナスだったこれまでの関係を元に戻すための修復作業がようやく終わったところです。

同行した韓国政府の高官は「政治的不信を取り除き、洋服の最初のボタンをうまくかけられた」と安堵していました。

次の世代に向けて、ここから先にどのような隣国関係を築いていけるのか、日韓双方の覚悟が問われます。