金与正氏が談話を発表「首相が金総書記と会談意向」 2か月連続で日本を名指し…ナゼ?
北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏は25日、談話を発表し、「『金正恩総書記と面会したい』という意向を岸田総理が伝えてきた」と明らかにしました。北朝鮮の狙い、そして会談実現の可能性は――
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25日夜…
岸田首相
「金与正副部長の談話については承知している。北朝鮮との間の諸懸案を解決するためには、金正恩委員長とのトップ会談が重要である」
北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏の“談話”というのが…
金与正氏の談話
「最近も岸田首相は、異なるルートを通じて、可能な限り早いうちに、朝鮮民主主義人民共和国国務委員長に直接会いたいという意向を我々に伝えてきた」
25日に発表したもので、岸田首相が金正恩総書記と直接会談したいとの意向を北朝鮮側に伝えたというのです。肝心の拉致問題については、首脳会談を望むなら拉致問題を取り上げないよう求めました。
金与正氏の談話
「これ以上解決すべきこともない拉致問題に固執すれば(岸田)首相の考えが人気集めに過ぎないという評判を避けられなくなる」
与正氏の談話を受け、拉致被害者、横田めぐみさんの母・早紀江さん(88)はコメントを発表。「少しでも動いていけばと願う。もう本当に時間がないですから」と、日朝首脳会談の実現に期待感を示しました。
日朝首脳会談と拉致問題については、先月も…
与正氏の談話(先月発表)
「すでに解決された拉致問題を、両国の関係の展望の障害物として置かなければ、首相が平壌を訪問する日も来るだろう」
北朝鮮側は「拉致問題は解決済み」という主張を崩さないまま、2か月連続で日本を名指し、談話を発表。その思惑とは一体…。
北朝鮮政治が専門 慶応義塾大学 礒崎敦仁教授
「短期的には日米韓の協力、安全保障上の連携を崩したいという思いはあるでしょう。中長期的な思惑としては、11月にはアメリカの大統領選挙で再びトランプ氏が大統領になるかもしれない、(北朝鮮にとって)米朝交渉の再開が視野に入るわけです。今後米朝が動くときに日本に邪魔・妨害されたくない。最低限、日本と関係を改善して(日朝)首脳会談が行われなくても、談話・水面下接触などを続ける方がいい、という判断もあると思う」
(3月25日放送『news zero』より)