3週間ぶり“対面”停戦協議…歩み寄りは? ウクライナ・ロシアとも戦闘で優位に立ち交渉で“妥協”引き出す思惑か
ウクライナ軍とロシア軍の攻防が激しさを増す中、およそ3週間ぶりとなる両国代表団の対面での停戦協議がまもなく始まる予定です。協議が行われるトルコ・イスタンブールから中継です。
──双方の被害拡大…歩み寄りは?
注目の停戦協議は、後ろの壁の向こうにある建物でまもなく始まる予定で、世界中から報道陣が詰めかけています。ロシア・ウクライナ双方の被害が拡大する中、歩み寄りが見られるかが焦点です。
トルコのエルドアン大統領はさきほど、両国の代表団を前に会見し、協議はまもなく始まるとみられます。両国とも可能な限り戦闘で優位に立ち、交渉で妥協を引き出したいとの思惑を持っているとみられます。
ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、激戦地となっている首都キーウ近郊のイルピンをロシア軍から奪還したと明らかにしました。一方、ロシアが攻勢を強め陥落の恐れが高まっている南東部の要衝マリウポリでは、これまでに死亡した人が5000人にのぼると当局が発表し、民間への被害が拡大し続けています。
──対面での停戦協議はおよそ3週間ぶりとなりますが、進展は期待できる?
両国の主張には依然として隔たりがあるとみられ、互いに引くに引けない状況ですので、進展があるかは不透明です。
軍事侵攻から1か月が経過し、早期にウクライナを降伏させ全ての条件を飲ませるというロシアの目論みは完全に崩れました。しかし、ここでウクライナに求める中立化や非武装化の条件を大幅に譲歩すれば、プーチン大統領が絶対に容認できない「軍事作戦の失敗」を事実上認めることになります。
一方、大きな被害を出しながら国民に徹底抗戦を指示してきたウクライナにとっても、安易に妥協すれば「何のための犠牲だったのか」と戦いの大義名分が問われかねません。
首都キーウの攻略が進まず軍事作戦の方針を事実上転換したとも伝えられるロシアが柔軟な姿勢を示すかがひとつのカギとなりそうですが、一筋縄ではいかないという見方が大勢です。
協議は2日間行われます。