イルピン市長「ロシアから奪還した」
ウクライナ各地でロシア軍の激しい攻撃が続く一方、首都キーウ近郊の激戦地イルピンでは28日、ウクライナ軍が町を完全に奪還したと市長が表明しました。
首都キーウの北西20キロほどに位置するイルピンは、首都制圧を目指すロシア軍の激しい攻撃に晒(さら)されていましたが、その後、ウクライナ軍が攻勢に転じていました。
イルピン市長「良い知らせです。イルピンは解放されました」
ただ、イルピンの市長は「さらなる攻撃が続くと理解している」とも述べていて、依然緊迫した状況にあることをうかがわせています。
一方、ロシア軍に包囲されている南東部マリウポリの市当局は、これまでに5000人が死亡したと発表しました。民間人が何人含まれるのかは明らかにされていません。また、市内の建物の90%が損壊したと説明しています。
住民「この街で結婚し、子どもたちを育てました。今は何も残っていません。どうしたらいいの?」
アメリカ国防総省の高官は、マリウポリがロシア軍から長距離ミサイルで攻撃されるなど、極めて強い圧力を受けていると分析しています。
こうした中、中東トルコで日本時間の29日夕方からロシアとウクライナの代表団による停戦協議が行われる予定です。
両国の代表団による対面での協議は今月7日以来となりますが、東部地域の独立承認などをめぐる主張の隔たりは依然大きく、進展が見られるかは不透明です。