ガザの死者4万人超、人質101人…大規模攻撃1年「停戦を」「息子抱きしめたい」 緊迫のイスラエルを取材 ガザに“変化”
パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘の引き金となった、イスラム組織「ハマス」の大規模攻撃から7日で1年を迎えました。イスラエルとの戦闘は長期化し、ヒズボラやイランを巻き込んで戦火が拡大。イスラエル北部の街やガザ地区の現状を取材しました。
激しい戦闘が続くガザ地区。6日、「どこへ逃げたらいい? ただ停戦してほしいんです」と嘆く人の姿がありました。いまだ解決の糸口が見えない中、犠牲者は増え続けています。
1145人が死亡した、イスラム組織「ハマス」によるイスラエルへの大規模から、7日で1年。攻撃の応酬は続き、ガザ地区保健当局によると、これまでのガザ地区の死者は4万1870人に上っています。
またガザ地区では、いまも101人の人質がハマス側に拘束されています。イスラエル人のガイさんもその1人。父親は6日、「去年の10月7日から悪夢が続いています。息子を抱きしめたい。それだけが願いです」と語りました。
ハマスとの戦闘が長期化する中、同じくイスラエルと対立するイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」との戦闘も激化しています」。
イスラエルは9月27日、ヒズボラが拠点とするレバノンへの空爆で、ヒズボラの最高指導者ナスララ師を殺害。10月1日にはレバノンへの地上侵攻を開始しました。
その後、ヒズボラの後ろ盾となっているイランが1日、イスラエルへの大規模なミサイル攻撃に踏み切りました。これにイスラエルがさらなる報復攻撃を行うかが今後の焦点です。
ネタニヤフ首相は5日、「我々は自らを守り、攻撃へ報復する権利と義務がある」と訴えました。
緊迫するイスラエル北部のハイファでは、取材中にも空襲警報が鳴り響きました。「こっちへ来て!」という声が上がり、人々が急いでシェルターに逃げ込みました。
6日に取材したハイファ市内の病院では、ロケット弾の警報が出ても治療が行えるよう、地下駐車場を地下病院に改造して態勢を整えています。
治療にあたる医師
「警報はいつも鳴っています。普通の病院の患者も大変なのに、地下の病院ではどうでしょうか」
一方、ハマスが実効支配するガザ地区では、住民の意識にある変化が出てきたといいます。ガザ地区南部のパレスチナ人ジャーナリストであるオベイドさんは、「ハマスは(ガザ地区の)住民から拒絶されています」と言います。
オベイドさんは、戦闘の長期化でハマスに対する視線が厳しくなっていると指摘。ハマスはガザ地区から撤退するべきだと訴えます。
パレスチナ自治区のパレスチナ政策調査研究センターが9月にガザ地区内で行った世論調査でも、ハマスによる大規模攻撃は「間違いだった」と答えた人が初めて半数を超え、57%に。「正しかった」は39%でした。
オベイドさん
「ハマスにガザ地区から去るよう求めるのは、パレスチナ人の権利です。もうハマスは必要ありません。戦争をやめ、人質解放のため交渉しなければなりません」
(10月7日『news zero』より)