ハマスの大規模攻撃から1年 襲撃受けたガザ地区近郊の集落は…現地のいま
パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘のきっかけとなった、イスラム組織ハマスの大規模攻撃から7日で1年となりました。
ハマスの襲撃を受けたガザ地区近郊の集落ニルオズの墓地では、犠牲者を悼むとともに、人質の解放を願う集会が開かれ、亡くなった住民を追悼するための植樹も行われるということです。
去年10月7日のハマスの大規模攻撃では、多数のロケット弾の発射や戦闘員らの襲撃によって、イスラエル側で1145人が死亡しました。
ニルオズでも、戦闘員らが住宅を襲撃。400人に満たない人口のうち、46人が殺害され、71人がガザ地区に拉致されました。今も20人が人質として拘束されたままです。
一方、イスラエル軍はこの1年、ガザ地区への空爆や地上作戦を続け、ガザの保健当局は、死者は4万1870人にのぼると発表しました。イスラエル軍も726人が死亡しました。
――双方の犠牲が増え続けていますが、停戦に向けた動きはどうなっていますか?
交渉は仲介国を通じて今も、水面下で行われているとみられますが、合意に向けた見通しは立っていません。
ハマス側は、1年を前にした6日、「イスラエルが交渉を妨害している」などとする声明を出して反発しています。
一方、イスラエル国内では、武力による圧力での人質の解放が進まず、長引く戦闘への不満からネタニヤフ首相の支持率は大きく低下し、選挙を求める声が強まっていました。
しかし、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘をめぐり、幹部の大半を殺害するなど「戦果」をあげていることから、支持率は回復傾向にあります。地元メディアは、「レバノンでの戦闘は首相の権威を強化したようだ」と報じ、ネタニヤフ首相は強硬姿勢を強めるとみられています。
ガザ地区とレバノンの二方面での戦闘は、さらに長期化する懸念が高まっています。