中国でまた車“暴走” 複数の児童らが病院搬送 訪日中国人は事件について…
19日朝、中国・湖南省の小学校前で発生した、車が複数の児童らをはねた事件。地元警察は運転していた39歳の男を拘束したと発表しました。
発生直後の映像…
「助けて! 助けて!!」
響き渡る悲鳴。リュックを背負った子どもたちは急いで学校の中へ。路上では血を流して横たわった子どもを別の子が助けようとしています。
無差別とみられる事件。今度は小学校の目の前で車が歩行者に突っ込みました。中国メディアによると、通学時間帯だった小学校の目の前で車が児童や保護者、警備員らをはねた“暴走”。複数の児童や保護者らがケガをして病院に搬送されましたが、児童らの命に別条はないということです。
暴走したとみられる白い車。まだ車の中にいる運転手をひきずりだそうとする人々。すると…車を降りた途端、殴りかかってきた運転手は大勢に制圧され、取り押さえられました。地元警察によると、拘束されたのは39歳の男。動機などはまだわかっていません。
無差別とみられる事件。中国で起きるのはこの1週間ほどで3回目です。
35人が亡くなった“無差別暴走”。8人が亡くなった“無差別殺傷”。そして今回の“無差別暴走”。相次ぐ事態に中国社会には不安が広がっています。
「最近こんなことが多すぎておかしいよ」
「社会への報復か?」
「事件に関する報道をしっかりした方がいい」
ただ、これらの投稿はあっという間に…
森葉月記者 NNN北京
「事件に関係する投稿なんですが、投稿からわずか30分でこのように閲覧できなくなってしまっています」
中国政府による国民への“情報統制”です。“無差別事件”が起きるたびに強まっていて、社会に動揺が広がらないよう警戒し、新たな事件を防ぐ狙いがあるとみられます。
それでも相次ぐ凄惨(せいさん)な事件。日本を訪れている中国の人たちに母国の現状をどう受け止めているのか聞いてみると…
──無差別事件について話せますか?
中国国民
「話すことはできない」
情報統制の影響か、答えられないといいます。
取材した2人も…
中国国民
「遊びに来ました、日本の文化や景色が好きなんです」
笑顔で答えていましたが、事件の話をした瞬間…
──無差別事件が相次いでいると知っていますか?
中国国民
「知らない、知らない」
表情は一変。走って去って行きました。
一方、答えてくれた人も…
中国国民
「社会への報復をするためにこういう行動(“無差別事件”)を起こしているんだと思う」
「社会への報復」。事件の背景にあるとみられるのは経済の低迷による格差の拡大など、将来に対する不安です。国民の不安が社会への不満につながり、“無差別事件”という形で現れているという見方もあります。
中国政府は、「全力ですべての人民の生命の安全、社会の安定を保障するとともに、中国にいるあらゆる外国人の安全を守る」としています。