“ゼロコロナ”政策で混乱続く中国 NNN中国総局も突然“封鎖”に… 感染拡大で対策強化
中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大していて、「ゼロコロナ政策」による混乱も続いています。敷地に閉じ込められ、外に出られなくなる事態が増えていて、NNNの中国総局も突然、封鎖されました。
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「ドアを閉めないで!」
中国のSNSに投稿された動画に映っていたのは、中国・浙江省の商業施設から慌てた様子で次々と出てくる人たちです。中には転んでしまう人もいました。
「押すな!押すな!」
別の出口にも人が殺到し、雪崩のようになっていました。
感染が急拡大している中国では今、こうした光景が珍しくありません。
山東省でも同じような動画が撮影されていました。中には商業施設の小さな窓から飛び降り、逃げ出す人たちまでいました。
いったい何から逃げているのでしょうか。
実は、NNN中国総局の記者は“逃げ遅れ”てしまいました。
記者
「支局の入っているビルから急いで出ようとしたんですけれども、ビルごと封鎖されて外に出られなくなってしまいました」
中国では、感染の疑いがある人がいた建物はすぐに封鎖されます。ビル内に閉じ込められた記者が、ビルの管理人に状況を聞くと、「上の階の人が検査で陽性だったので」ということでした。
封鎖されるかもしれないと分かった時点で急いで外に出ないと、閉じ込められてしまうのです。
会社に7時間以上閉じ込められた記者は、2日後の23日、今度は自宅マンションに閉じ込められてしまいました。
記者
「私のマンション、このように門の前に柵が置かれて外に出られなくなってしまいました」
記者を含め住人は買い物に出ることもできず、食料などを配達してもらい、防護服姿のスタッフから受け取る日々が今も続いています。
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容赦ない隔離措置で“行き過ぎ”な行為も見られます。
広東省では、1人が感染した大学の寮で、学生たちとの接触を避けるため、クレーン車で食料を配達していました。
さらに、SNSに投稿されたのは、警察官が1人の男性を取り囲む動画です。
警察官
「両手を壁につけろ!」
男性が抵抗すると、地面に押し倒し、ひざで首のあたりを押さえつけました。
男性
「腕が痛い!」
警察
「きょう、何で外に出たか言ってみろ!」
男性は薬が必要になり、隔離されていたホテルを無断で抜け出したといいます。SNSでは警察の乱暴なやり方に批判が高まり、地元当局は「警察官が本人に直接謝罪した」と明らかにしました。
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24日に発表された中国の1日あたりの新規感染者は、3万1444人(無症状含む)と過去最多になりました。
記者
「こちら、北京市内の大規模な国際展示場なんですけれども、感染拡大を受けて臨時の病院になっています」
医療施設が不足する中、首都・北京につくられたのが、軽症の患者を受け入れるその名も「方舟(はこぶね)病院」です。1000人以上収容でき、続々と患者が搬送されていました。ただ、SNSに投稿された映像によれば、内部は床の上にベッドだけが置かれたような厳しい環境でした。
中国最大の経済都市・上海でも、感染対策が強化されています。
記者(中国・上海)
「24日から上海では、新しいコロナ対策が始まりました」
バーガーチェーンには「上海に来て5日未満の人は入店できない」との張り紙がありました。店などに入る時に見せるスマートフォンのコード画面に「上海に来て5日未満」と赤字で表示されるようになり、飲食店やスーパーなどへの立ち入りが禁止されます。
現地に住む日本人
「仕事をする上でも、出張がかなり制限されるので厳しい」
習近平政権は難しい対応を迫られています。