中国で「結婚博覧会」若者らが参加 婚姻件数が減少…企業側も必死の呼び込み ”少子高齢化”を懸念
中国では祝日の22日、結婚を控えたカップルのための「結婚博覧会」が開かれ、大勢の若者が詰めかけました。中国では婚姻件数が減り続けていて、出展する企業側は客を呼び込むのに必死です。さらに、出生数も減る中、子ども関連の企業も数多く出展していました。
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22日、祝日の中国・北京で、大勢の若者でにぎわっていたのは、結婚を控えたカップルのための「結婚博覧会」です。
記者
「中国式の古くから伝わるドレス。ダイヤがつけばつくほどレンタル料が高くなる」
中国式のウエディングドレスや、ウエディングフォトなど200以上の企業が出展し、来場者にアピールします。貴金属販売店で展示されていたのは、中国で結婚する際、指輪とは別に贈られる“金の装飾品”です。
出展者
「上には七色の特殊な工芸が施されています」
結婚式で女性が身につけたり、家に飾ったりするもので、この商品は1つ60万元、日本円で約1200万円もします。
チラシや付録を渡すなど、企業側は客を呼び込むのに必死です。取材中の記者に「お姉さん、こっちに来て。プレゼントがあるの」と熱心に声をかける場面もありました。
出展者
「競争が激しいです。頑張ってお客さんを呼び込んでいます」
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企業が熱を入れるその背景には、中国で長く続いた一人っ子政策で、男女のバランスが均等ではなくなっていることや、結婚観の変化などから、婚姻件数が減り続けている状況があります。
去年の婚姻件数は683万3000組と、ピーク時の2013年(1346万9000組)のほぼ半分となるなど、統計を始めて以降、過去最低を更新しています。婚姻件数の減少が、少子高齢化の加速につながらないか懸念が広がっています。
来年、結婚予定だという27歳の男性は「いい年なんで、親からは多少(結婚の)プレッシャーがありました」と話します。
結婚する予定のともに27歳のカップルに「子どもは欲しい?」と尋ねると――
女性(27)
「数年先かな。急いでいません。まだ若いし」
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「結婚博覧会」には、粉ミルクや子ども服のブースもありました。出生数が減る中、結婚だけではなく、出産まで考えてほしいとの思いから、子ども関連の企業も数多く出展していました。
――ここ数年、新生児が減ったと感じる?
子ども関連企業の出展者
「もちろん。統計の数字(出生率)はうそをつきません」
人口減少の一途をたどる中国。こうしたイベントで若者へのアピールが期待されています。