露通商代表部職員が接触 警視庁公安部が企業側に通報し情報漏えいを未然に防ぐ
ロシア通商代表部の職員の男性が半導体関連企業などの社員に接触を図った疑いがあり、警視庁公安部が企業側に通報して情報漏えいを未然に防いでいたことが分かりました。スパイ活動が疑われる事案について摘発する前に企業側に通報するのは異例です。
捜査関係者によりますと、去年、ロシア通商代表部の職員の男性が半導体関連企業など先端技術を保有する企業の社員に対し、会社付近で道案内を頼み、接触を図った状況が複数確認されたということです。
通商代表部の職員は日本語を話し、道案内されている間に社員の連絡先を聞き出して「今度、飲みにいきませんか」などと誘っていましたが、その際、ロシア通商代表部職員という身分や目的は隠していたということです。
警視庁公安部が通商代表部職員のスパイ活動が疑われる不審な動きを把握し、企業側に注意喚起を行ったことから、実際に情報が漏えいすることはありませんでした。
スパイ活動が疑われる事案について、摘発する前に企業側に通報するのは異例で、経済安全保障の必要性が高まる中、警察当局は企業側への注意喚起を強化しています。