露外相「東部だけでなく南部の制圧も含まれる」軍事作戦目標
ロシアのラブロフ外相は、ウクライナでの軍事作戦の目標について、東部の制圧だけでなく、南部の制圧も含まれるとの認識を示しました。
タス通信などによりますと、ウクライナ軍は19日から20日にかけて、ロシアに制圧された南部・へルソン州で、アメリカから供与された高機動ロケット砲システムを使い、交通の要衝となっている川の橋を砲撃したということです。
この橋について、イギリス国防省は「ロシア軍が物資の補給や部隊の撤退に使うルートの1つ」だと分析しています。ウクライナ軍が南部の奪還に向け、反撃を本格化しているとみられます。
こうした南部での攻防も焦点となる中、ロシアのラブロフ外相は、南部の制圧も軍事作戦の目標だとの認識を示しました。
ラブロフ外相「(制圧目標は)東部・ドネツク州とルハンシク州だけではなく、南部・ヘルソン州とザポリージャ州など多くの地域が含まれている」
また、ロシア国防省は20日、ショイグ国防相が前線部隊を視察したと発表しました。ロシアとの国境付近に展開するウクライナ軍の無人機の破壊などを指示したということです。ショイグ国防相はこのところ、前線部隊を相次ぎ視察していて、ウクライナ軍の反撃を警戒しているとみられます。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領のオレナ夫人が20日、アメリカ・ワシントンの連邦議会で演説しました。オレナ夫人は、ロシア軍のミサイル攻撃で亡くなった子どもの写真などを見せながら、「すべての父親、母親が、子どもに『もう安心して眠りなさい』と言えるようにしたい」などと訴えました。また、アメリカに対して、防空システムの供与も呼びかけました。