「コーチと会えない」 ガザ地区侵攻 “平和の祭典”に臨むボクシング代表選手にも影響
パレスチナ自治区ガザ地区で続くイスラエルの侵攻は、“平和の祭典”に臨む選手にも、影響を及ぼしていました。パリオリンピックに出場したパレスチナのボクシング代表のワシム・アブサル選手(20)、コーチのアハマド・ハララさんに話を聞きました。
パリ五輪ボクシング、男子57キロ級1回戦。大きな声援を受けるのは、パリオリンピックのボクシング、パレスチナ代表のワシム・アブサル選手(20)。
パレスチナ自治区ガザ地区で続く、イスラエルによる侵攻。パレスチナオリンピック委員会によると約400人のスポーツ関係者が亡くなり、ロイター通信によるとガザ地区では全てのスポーツ施設が破壊されたといいます。
混乱が続く中、パレスチナのボクシング代表として初めて“平和の祭典”に出場したワシム選手。その試合前の7月22日、『news zero』は話を聞くことができました。語ったのは、戦闘が及ぼす競技への影響について。
ボクシング パレスチナ代表 ワシム・アブサル選手(20)
「他の選手と一緒に練習ができませんでした。コーチとも会えなかったんです」
練習の指示はSNSを通じて、遠隔で受けていたといいます。コーチとは、フランスでようやく再会することができました。
ガザ地区出身のアハマドコーチ。オリンピックを通じて伝えたいことがあるといいます。
ガザ地区出身 ワシム選手のコーチ アハマド・ハララさん
「殺された選手、まだがれきの下で閉じ込められている選手の夢を背負っています。他の国と同じようにスポーツをする権利と、生きていく権利があることを伝えていきたい」
試合は判定で敗れ1回戦敗退となったものの、パレスチナ代表としてワシム選手とアハマドコーチは戦い抜きました。
ボクシング パレスチナ代表 ワシム・アブサル選手(20)
「2028年、再び戻ってきてパレスチナの旗を表彰台に掲げられるように頑張ります」
(8月2日放送『news zero』より)