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韓国の新たなトレンド「ハルメニアル」 現代風にアレンジした“伝統菓子”が若者の間で大人気に!

2024年1月8日 16:00
韓国の新たなトレンド「ハルメニアル」 現代風にアレンジした“伝統菓子”が若者の間で大人気に!
「GOLDEN PIECE」の薬菓と薬菓アイスクリーム

日本でたびたびブームを巻き起こす韓国スイーツ。今、韓国では「ハルメニアル」という言葉がキーワードとなっている。いわゆる、おばあちゃん世代のレトロなものをアレンジしたお菓子などが、韓国の若者を魅了している。

■「ハルメニアル」とは?

韓国で「ハルメニアル」というトレンドが登場したのは、2021年ごろ。今も、若者や企業の間で注目されている。

「ハルメニアル」とは、おばあちゃんを意味する韓国語「ハルメ」と、1980年ごろから1990年代半ばに生まれた世代の「ミレニアル」を組み合わせた造語。おばあちゃんが好むような、昔ながらの食べ物や服装を現代風にアレンジしたものが若者の間でもブームになっていて、その現象を指す。特にスイーツ業界に大きな影響を与えていて、黒豆や小豆、きなこなどを使ったスイーツが続々と登場している。

■「ハルメニアル」の代表的なスイーツ 薬菓(ヤックァ)

23年12月、ソウル中心部の汝矣島(ヨイド)の人気デパート「ザ・現代ソウル」。あるポップアップストアに多くの人が訪れていた。「薬菓(ヤックァ)」と呼ばれる韓国伝統菓子の専門店だ。

この薬菓が、韓国の「ハルメニアル」の代表格となっている。薬菓とは、小麦粉に蜂蜜などを練り込んで、油で揚げたもの。韓国の旧正月や旧盆に、先祖への供え物として並べられる伝統的なお菓子だ。

ポップアップストアを出したのは、23年に創業したばかりの「GOLDEN PIECE」というお店。伝統的な薬菓に、バニラ味やミントチョコ味などさまざまなアレンジを加えると、流行に敏感な若者の間で瞬く間に大人気となった。ポップアップストアで薬菓は、すぐに売り切れになるほど。映像や写真で映える薬菓をアイスクリームにのせたスイーツも、次から次に売れていた。

ポップアップストアを訪れた20代の女性は 「薬菓は周りの人たちがおいしいと言うし、SNSで見て、実際に食べてみるとおいしくてハマった」と話す。別の20代の女性は「西洋的なデザートが多すぎて飽きてしまって、韓国的なものを再び食べるようになった」と教えてくれた。

■「ハルメニアル」の背景は?

韓国では「ハルメニアル」に先行して、数年前から「ニュートロ」がトレンドになっていた。「ニュー」と「レトロ」を組みわせた造語だ。

その象徴的なものが、今では日本人観光客にも人気となっている、ソウルの益善洞(イクソンドン)というエリア。細い路地に集まる韓国伝統の家屋「韓屋」を改装した、おしゃれなショップやレストランが集まり、韓国の若者の間でホットスポットとなったのがブームの始まりだった。

今回の「ハルメニアル」も、韓国の若者が自分の国の昔の文化をおしゃれだと感じ、それにアレンジを加えて楽しもうという延長とみられる。韓国メディアは、背景として「韓国の音楽やドラマが世界的に知られるようになって、韓国人自身も伝統文化に対する関心を持つようになった」との分析を紹介している。

■コンビニ、菓子メーカーも続々と参戦

この「ハルメニアル」に、コンビニエンスストアや菓子メーカーはもちろん黙ってはいない。コンビニ業界は薬菓などの韓国伝統菓子をアレンジしたスイーツやスナック菓子を続々と発売。大手コンビニチェーン「CU」が23年4月に発売した「薬菓クッキー」は、5日間で10万個を完売したという。その後も、「薬菓クッキー」は抹茶味やチョコ味などバリエーションを増やして展開し、一部で売り切れが出るほどの人気商品となっている。

レトロな魅力を再発見し、好みにアレンジ――韓国の若者を魅了する「ハルメニアル」で進化した伝統スイーツが、日本でもブームになるかもしれない。