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プーチン氏“クリスマス停戦”提案……現地の人は「信用できない」「自分勝手」 背景に「時間稼ぎ」「ウクライナを悪者扱い」か

2023年1月7日 11:31
プーチン氏“クリスマス停戦”提案……現地の人は「信用できない」「自分勝手」 背景に「時間稼ぎ」「ウクライナを悪者扱い」か

ロシアのプーチン大統領が、ロシア正教のクリスマスに合わせた36時間の停戦を指示し、ウクライナ側にも呼びかけました。ウクライナに住む人からは「信用できない」との声が上がり、ゼレンスキー大統領は応じない姿勢です。停戦を提案した理由を考えます。

■「ロシア正教」信徒の礼拝が理由?

岩本乃蒼アナウンサー
「『6日正午から36時間の停戦を』、ウクライナへの軍事侵攻を巡り、プーチン大統領が命じました。ロシア正教のクリスマスが1月7日で、信徒らが礼拝に参加できるよう“クリスマス停戦”を命じ、ウクライナ側にも呼びかけました。村上さんはどう感じましたか?」

村上茉愛さん(東京オリンピック体操女子ゆか銅メダリスト)
「クリスマスを理由に、ロシアは攻撃の準備だったり時間稼ぎをしているのではないかなと感じます」

■廣瀬教授が挙げる「2つの理由」

岩本アナウンサー
「本当にクリスマスが理由なのでしょうか。ロシア政治に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授は、理由を2つ挙げています。1つは“時間稼ぎ”です。今、ロシアは劣勢なので、時間稼ぎをして戦争のムードを変えたいのではないか、とみています」

「もう1つは、“ウクライナを悪者にしようとしている”ことです。停戦に合意しない場合、ロシア国民に『ウクライナはクリスマスも攻撃を続ける非人道的な国だ』という印象を持たせ、怒りの矛先を向けさせようとしているのではないか、と指摘しています」

「一方で(ウクライナの)ゼレンスキー大統領は『ロシアはクリスマスを隠れみのにして反撃を中断させ、兵士や武器を送り込もうとしている』などと批判。停戦に応じない姿勢です」

■ザポリージャ在住者「全面停戦を」

村上さん
「戦争が続くと、やはり一番つらいのは攻撃を受け続けているウクライナに住んでいる人ですよね」

岩本アナウンサー
「現地に住む人たちは『停戦は信用できない』と話しています。キーウ在住のドミトロさん(41)は『新年もずっと激しい攻撃があった。今さら自分たちのクリスマスのために一時停戦なんて自分勝手だ』と憤ります」

「ザポリージャ在住のチーナさん(60)は『うれしい話ではあるけれど、ロシアはこれまでもウソをついてきたので信用できない。求めるのは全面停戦だ』と訴えます」

■村上さん「戦いがなくなってほしい」

岩本アナウンサー
「村上さんは、幼少期にウクライナ出身のコーチから指導を受けたこともあるそうですね」

村上さん
「はい、オルガさんという熱血指導をしてくださる方で、体操の基礎を教えてくださった先生です。今は日本の大学でコーチをしていますが、ご主人がキーウに住んでいます」

「オルガさんは私と話す時に『安全な場所だから大丈夫だよ』とは言ってくれますが、そういう話をする時は涙ぐんだり、心配そうな顔をするので、とても気にしているんだなというのは感じますね」

岩本アナウンサー
「大事な方の母国で侵攻が続く状況を、どう見ますか?」

村上さん
「ウクライナの体操のナショナルチームも満足に練習ができていない状況だと聞いています。停戦ではなく、戦いというものが早く終わってほしい、無くなってほしいなと願います」

(1月6日『news zero』より)