学生らの抗議デモが激化し、首相が国外逃亡したバングラデシュで8日、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が暫定政権を率いる最高顧問に就任しました。

ムハマド・ユヌス氏は、貧困層を支援する「グラミン銀行」を創設し、2006年にノーベル平和賞を受賞しています。

ユヌス氏は8日、訪問先のフランスからバングラデシュの首都ダッカに到着し、最高顧問の就任式に臨みました。

AFP通信によりますと、ユヌス氏は就任式で「憲法を守り、職務を誠実に遂行する」と宣誓しました。

バングラデシュでは、公務員の採用特別枠に反発する学生らによる一連の抗議デモで、300人以上の死者が出て政権が崩壊し、首相だったハシナ氏は5日、隣国インドへ逃亡しました。

ユヌス氏が率いる暫定政権は今後、早期に治安を回復して総選挙を実施し、民主的に政権を移譲できるかが焦点となります。