ガザ地区北部の病院“爆発” 激しい情報戦、中東各国で大規模な抗議デモ…緊迫感強まる エルサレムから中継
イスラエルの封鎖により、ガザ地区で人道危機が高まる中、エジプトとの間にあるラファ検問所が近く開通する見通しとなりました。現地から最新情報を伝えてもらいます。エルサレムから中継です。
ガザ地区北部の病院で起きた爆発をめぐり、中東各国では大規模な抗議デモが起きるなど、中東情勢は緊迫感を強めています。
ガザ地区北部の病院で起きた爆発について、ガザ地区の保健省は471人が死亡したと発表し、イスラム組織「ハマス」はイスラエル軍の空爆によるものだと主張しています。
一方、イスラエル軍は、ハマスと共闘する過激派組織「イスラム聖戦」による誤射だと反論し、証拠として映像や音声を公開するなど、激しい情報戦が繰り広げられています。
どちらがやったかは今後、時間をかけて検証が行われる必要がありますが、決して忘れてはいけないのが、今回の爆発によって多くの子どもたちを含む住民、そして医療従事者が犠牲になったという事実です。
国連の安全保障理事会では、人道支援のための一時的な停戦決議について採決が行われましたが、アメリカが「イスラエルの自衛権についての言及がない」として拒否権を行使し、否決されてしまいました。国際社会も効果的な役割を果たせないでいます。
――封鎖されているガザ地区に支援物資を搬入するために、エジプトとの間にある検問所が開かれる見通しとなりましたが、どこまで状況は改善するのでしょうか。
アメリカ、エジプト、イスラエルは、ガザ地区とエジプトとの間にあるラファ検問所を開通させることで合意しました。開通すれば、滞っていた人道支援が再び動き出すことになります。
ただ、通行が認められるのは、わずかトラック20台です。そのため状況が大きく変わることは期待できません。
また、イスラエル側は今回の支援物資の搬入について、物資がハマス側に渡らないことを条件にしていて、ガザ地区南部に避難している住民への支援に限って認めているため、病院の爆発があった北部に支援は届きません。
ガザ地区の住民は食料も水も尽きかける中、地上侵攻の恐怖にもおびえる日々が続きます。