プーチン大統領“市民らとふれあう”映像を公開 少女と自撮りも… “反乱騒動”から4日 その狙いは?
普段はテロなどを厳重に警戒しているロシアのプーチン大統領が、“直接、市民らとふれあった”とする映像が公開されました。反乱騒動からわずか4日経ったタイミングでの公開。その狙いは?
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歓声の中、登場したプーチン大統領。女の子のおでこにキスしたり、自ら距離を縮めて自撮りに応じたりしていました。集まった人々に「お元気で」と声をかけると、車に乗り込む前に「投げキス」をする大サービスまでありました。
ロシアの国営メディアが公開したのは、プーチン大統領が28日にロシア南部のダゲスタン共和国を訪問したとする映像です。普段はテロを厳重に警戒し、今回のように一般人が近づけることは異例のことです。
しかし、実はダゲスタン共和国では、去年9月に軍の動員に対して大きな反発が起きていたのです。
ロシアで最も古いモスクの1つと言われるジュマモスクに案内され、「ご健康や長生きを。大変な仕事の成功を願います」と声をかけられると…
プーチン大統領
「すべて大丈夫になるでしょう」
ここ数日、プーチン大統領にとって最も「大変な仕事」といえば、ロシアの民間軍事会社、ワグネルが起こした反乱です。24日、ワグネル創設者のプリゴジン氏が南部の主要都市を掌握したと宣言し、ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長の引き渡しを要求。その後、プリゴジン氏は要求を取り下げ、事態は収束しました。
しかし、28日にアメリカの有力紙が西側の当局者の情報として報じたのは、“プリゴジン氏はショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長がウクライナ国境に接する地域を視察する際に、2人の拘束を計画していた”との内容です。プリゴジン氏はロシア連邦保安局に計画を事前に把握されたため、予定を前倒しして反乱を起こしたとしています。
反乱騒動からわずか4日経ったタイミングで公開されたプーチン大統領と市民らのふれあい。その狙いについて、専門家は次のように指摘します。
ロシア政治が専門 慶応義塾大学・廣瀬陽子教授
「弱い大統領というのが如実にさらされてしまったところがある。堂々と人前にでて、堂々と振る舞い、そして人々と積極的に交わることで『大統領は自信があるんだ』と。これまでプーチン大統領が築いてきた正当性を改めて強調していく面もある」
こうしたアピールで、政権への支持を取り付けることができるのでしょうか。