停戦協議「十分な進展」具体的な内容は…現地中継
ウクライナ軍とロシア軍の攻防が激しさを増すなか、およそ3週間ぶりに両国代表団の対面での停戦協議が行われました。大統領会談を行うのに十分な進展があったとの情報も入っていますが、具体的にどのような点で進展があったのか。現地から山田智也記者が伝えます。
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今回の協議での進展は、双方が歩み寄れる妥協点をみつけ、それがいくつか明確な形で出てきた点です。
まず、大きな争点の一つだったクリミア半島などのロシアの支配地域についてですが、ウクライナ側は、協議を15年間続けると提案しました。これは、実質的な問題の棚上げで、互いのメンツを保つための妥協案と考えらえます。
一方、ロシアも、ウクライナのEU加盟を「反対しない」と述べるなど、これまでの姿勢を大きく変え、妥協する意思を示しました。
ロシアは、今回の協議の内容を本国に持ち帰って検討すると明確に述べていて、こうした点からも前向きに歩み寄る姿勢がみられます。
残る焦点は、ウクライナの安全保障をめぐる問題です。ウクライナはこれまで、アメリカやイギリスなどが法的に安全保障に関与する枠組みを主張してきましたが、今回はトルコやイスラエルなども加えた形での新しい枠組みを提案しています。
これをロシアがどう評価するかにかかっていますが、これまで停戦協議を積極的に仲介してきたトルコやイスラエルなどが入る枠組みになったことで、ロシアとしても受け入れやすい内容になったといえそうです。